2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540418
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡元 太郎 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 助教 (40270920)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹中 博士 九州大学, 理学研究院, 准教授 (30253397)
|
Keywords | 固体地球物理学 / 地震 / 津波 / 震源過程 / 地球・惑星内部構造 / ジャワ海溝 / スマトラ海溝 |
Research Abstract |
本年度も2007年スマトラ島沖地震の解析を継続して、次の結果を得た。(1)余震の震源分布の詳細決定。本研究で開発した手法(Okamoto & Takenaka, in press)により、スマトラ沖地震のプレート境界型余震6個(Mw 6前後)の震源位置・モーメントテンソル・震源時間関数を詳細に決定した。地殻構造モデルは、複数のモデルを仮定して試行錯誤的に選択したものである。その結果、これらの余震の震源位置は仮定したプレート境界の近くに決定され、深さ15-20km程度と40km程度の2つの場所に集中していることがわかった。これらの分布が本震震源域の上限と下限に相当するものと考えられる。なお6余震のうち4個のグローバルCMT解は、(我々が仮定した)プレート境界よりもかなり(30-50km)離れた場所に決定されている。余震分布は、震源域の推定や地震に伴う応力変化を考察するうえでの重要な情報である。本研究の結果はスマトラ島沖地震の余震位置の考察を慎重に進める必要があることを示している。(2)本震の震源過程解析。我々が開発したインバージョン手法を用いて解析した結果、やや浅い場所(深さ20km付近)のほか、深い場所(40km付近)にも大きなすべり分布が見出された。深い方のすべり分布は、剪断強度が弱いという指摘もあるマントルウェッジと海洋プレートの境界に位置している可能性がある。そのため、本研究の結果は地震発生の条件について重要な情報となるであろう。これらの結果は2008ASC-SSJ合同大会などで発表した。また、2006年ジャワ津波地震の解析結果をEPSに投稿し受理(2009/4/9)された。
|