2008 Fiscal Year Annual Research Report
不安定渦と波動による再循環セル形成の力学-プリミティブ方程式系モデルを用いて
Project/Area Number |
18540429
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
水田 元太 Hokkaido University, 大学院・地球環境科学研究院, 助教 (30301948)
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Keywords | 海洋物理・陸水学 / 地球流体力学 |
Research Abstract |
黒潮、メキシコ湾流など海洋の強い流れ(ジェット)の存存する海域では、流れの不安定によって渦や波動といった変動が発生するとともに、それらの変動が平均的な大規模循環場に影響を与えるという複雑な非線型相互作用が起きている。これまでジェットから惑星波動が放射されることは事実としては知られていなが、その詳細なメカニズムは明らかにされていない。前年度までの研究では3次元プリミティブ方程式系モデルを用いた数値実験から、ジェットから放射される波動の西向き伝播速度がある一定の値を取る性質があることを明らかにしてきた。またこの様な明瞭な関係が成り立つ要因として再循環の中に取り込まれた渦が波動の源になっているという仮説を立てた。本年度はその仮説を実証するためにさらに実験と解析を進めた。特に、再循環の流量と波動の強さの関係に着目をした。数値実験に与える流入流出条件のうち流出条件だけを変化させることにより、ジェットそのものの性質は変えずに再循環の流量だけが変化する状況を作り出せることに着目し、このとき再循環の流量、その中へ取り込まれる渦の強さ、放射され波動の強さの3つの量が連動して変化することを示した。このことは上述の仮説を強く支持する。さらに再循環から放射された波動が大規模平均流に与える影響を調べた。Frequency domain EOFの手法と渦位の収支解析から、波動は再循環の形成に一定の役割をすることが示唆された。このことは、観測や簡単な数値実験などの先行研究でなされていた主張を、実際の不安定なジェットの解析から初めて支持するものである。
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Research Products
(2 results)