2007 Fiscal Year Annual Research Report
有限レイノルズ数状態における2次元乱流のエンストロフィー減衰則の研究
Project/Area Number |
18540433
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
岩山 隆寛 Kobe University, 大学院・理学研究科, 准教授 (10284598)
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Keywords | 2次元乱流 / エクマンパンピング / 非線形補正 / 円形渦 / 一般化された2次元流体 / エンストロフィー慣性領域 |
Research Abstract |
2次元乱流に関する以下にあげる様々なテーマについて研究を行った. 1.一般化された2次元乱流のエンストロフィー慣性領域における波数空間内の非線形相互作用関する研究 一般化された2次元流体は地球流体力学で知られたいくつかの2次元系を包括する系として注目されている.本研究ではこの系の強制乱流のエンストロフィー慣性領域における非線形相互作用の局所・非局所性について数値実験的に調べた.系に含まれるスケール分離パラメターαが2を境にして,非線形相互作用の局所・非局所性の転移が見られることが提唱されていた.しかしながら数値実験データの解析によると,あらゆるαの値で非局所相互作用は存在し,局所相互作用との相対的な重要性が変化することがわかった. 2.一般化された2次元流体における平行流の安定性 乱流の発生の原因である流れの不安定について,特に一般化された2次元流体に従う平行流の場合について調べた.系に含まれるスケール分離パラメターの値によって,最大成長不安定波の波数や成長率は異なるが,不安定はいわゆる波の共鳴によって説明できることを示した. 3.円形渦によって駆動される非線形エクマンパンピング 強制2次元乱流において,系のエネルギーを散逸するメカニズムとしてのエクマンパンピングについて研究した.エクマンパンピングの理論は100年近く前に線形理論が提唱されて以降,非線形理論への拡張が試みられてきた.本研究では,低気圧性円形渦によって駆動されるエクマンパンピングを低ロスビー数から0(10)程度の高ロスビー数まで数値計算によって調べ,ロスビー数が大きくなるに従い,渦の中心軸付近の上昇流が弱まり,上昇流の最大値は渦中心から離れたところに形成されるが,層流的なエクマン層内では台風のように渦の中心付近では下降流は生じないことがわかった.また,様々な下端境界条件において数値計算を行うことにより,台風の中心付近で観測される鉛直風速分布には乱流的なエクマン層が必要であることを示した.
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Research Products
(8 results)