2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540435
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
田島 俊彦 福井県立大学, 学術教養センター, 教授 (20027353)
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Keywords | 大気現象 / 気象学 / 大気大循環 / 成層圏 / 対流圏 / ベータ効果 / ロスビー波 / 回転円筒水槽実験 |
Research Abstract |
回転円筒水槽の底に円錐形傾斜を入れて地形型ベータ効果を導入した実験を行い、これまでに波数2波動流は傾斜が0.4以上で準地衡風的渦度方程式に従い上方に伝播し、ドリフト回転が遅くなることを発見した。今回は、波数1波動流と軸対称流では理論的には波数2波動流より強くベータ効果が現れると期待されるので、波数1波動流と軸対称流の鉛直伝播について実験することから始めた。先ず、実験し易い軸対称流について、各高さにおける流速の精密測定を行った。水平スリット光にレーザ光を用い、スリット光とビデオカメラの距離を一定に保ちながら同時に鉛直に動かす方法を用いた。この方法では、スリット光の鉛直移動があってもピントがずれない点が優れている。この方法で確かに以前より格段に精度の高い測定が出来るようになった。2mmの間隔で各高さの水平面の流速を測定したが、2mmの間で起こる急激な流速の変動が見つかった。この現象は、測定誤差か、流体の非定常性や装置の振動などによるものかと考えられたが、これらが原因でないことを確かめた。軸対称流の場合、流速の鉛直変化を鉛直スリット光を用い横からビデオカメラで観測することでも測定できる。実験では、この方法でも確かに流速の鉛直変化が極めて精度良く簡単に測定できることが分った。現在までの実験で、軸対称流では、期待どうり、波数2波動流よりははっきりとベータ効果が現れることが分った。しかし、2mm間隔で起こる急激な変動の原因が分らないため、データを論文にまとめる段階に達していない。 今回の研究で、パリのEcole Polytechnique LadHyXではA.Prof.C.Braud氏と議論し、ナンシーのLEMTAでは講演をし、また回転水槽実験を見学をして.PhD.E.Plaut氏と議論し、グルノーブルのLEGI/CORIOLISでは水中の内部重力波の回転水槽実験を見学するとともにProf.J.Sommeria氏およびProf.J.B.Flor氏と議論し,大変有意義であった。
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