2007 Fiscal Year Annual Research Report
「冷える海洋-暖まる大陸」パターンの力学的メカニズムの解明
Project/Area Number |
18540441
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
本田 明治 Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology, 地球環境フロンティア研究センター, 研究員 (20371742)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山根 省三 千葉科学大学, 危機管理学部, 講師 (10373466)
高谷 康太郎 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球環境フロンティア研究センター, 研究員 (60392966)
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Keywords | アリューシャン低気圧 / アイスランド低気圧 / 海陸コントラスト / 定常ロスビー波 / ストームトラック / 惑星波 / 気候変動 / 地球温暖化 |
Research Abstract |
「冷える海洋-暖まる大陸」パターン、いわゆるCOWLパターンの変調の力学的メカニズムについて、最近約50年の再解析データによる解析ではCOWLは対流圏循環場ではアリューシャン・アイスランド低気圧シーソーに続いて2番目に卓越するモードして抽出され、長期的なユーラシア及び北米大陸上の昇温傾向に伴って近年のアリューシャン低気圧とアイスランド低気圧の強化傾向が見られることが確認された。季節依存性をみると1月に最も強い振幅を持ち、北半球各地の天候に大きな影響を及ぼす可能性が示唆された。これらの解析結果は国際英文誌(Journal of Meteorological Society of Japan)に出版された COWLの予測可能性については、秋から初冬の雪氷圏の振る舞い(北極域海氷、積雪)が、ひとつの先行現象として注目されることが新たに分かってきた。また熱帯域、特にインド洋付近からの強制によってCOWL的シグナルを強める可能性を指摘する研究もあり、大気大循環モデルによる感度実験、結合モデルによる解析の準備を進めている。 当初予定していたCOWL提唱者である米国ワシントン大学のWallace博士への訪問は日程が合わず実現しなかったが、研究代表者の本田はカナダ及びノルウェーで開催された国際シンポジウムなどにこれらの成果を発表、各国の大気海洋研究の専門家と多くの有意義な議論を行うことができた。
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Research Products
(18 results)