2008 Fiscal Year Annual Research Report
リモートセンシングによる磁気圏・極域電離圏プラズマの動態の解明
Project/Area Number |
18540443
|
Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
田口 聡 The University of Electro-Communications, 電気通信学部, 准教授 (80251718)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細川 敬祐 電気通信大学, 電気通信学部, 助教 (80361830)
能勢 正仁 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教 (90333559)
鈴木 臣 電気通信大学, 電気通信学部, 非常勤研究員 (60397479)
|
Keywords | 磁気圏 / 電離圏 / カスプ / マグネトポーズ / 中性粒子 / プラズマ / イオンアウトフロー / オーロラ |
Research Abstract |
本年度は,リモートセンシング衛星のイメージ衛星からの撮像データに,地上レーダーからのデータや地磁気のデータ,さらに同時観測されたその場観測衛星のデータをあわせて総合的な解析を進めた.当初の目的の4つの項目,1. 磁気圏カスプ領域にみられる多様なイオンエントリー特性とそれに関連する電離圏プラズマ対流特性.2. 電離圏プロトンオーロラの時間空間発展特性.3. マグネトポーズの変動速度特性.4. 電離圏からのイオンアウトフローの磁気嵐発達過程における時間空間特性に関して以下の結果を得た.1について,惑星間空間磁場(IMF)の東西成分が卓越する際に,バースト的なイオンエントリーが発生することを見出した.SuperDARNレーダーとEISCATレーダーからのデータと地磁気ネットワークからのデータも用いて,そのイオンバーストに伴うプラズマ対流特性も明らかにした.それらをもとに,メソスケールの太陽風・磁気圏結合の重要性を指摘した.2に関しては,イメージ衛星とその場観測衛星との同時観測イベントの解析から,電離圏カスプ域のプロトンオーロラの発生場所と広がりが,これまで考えられてきた以上にIMFの変化に大きく反応することが分かった.3については過去の研究から,マグネトポーズは大きな南向きIMFになると地球の半径の5倍程度のところにまで移動してくることが知られている.本研究からその動きは,過去の統計モデルの外挿により近似的に表現できることが明らかになった.4については,磁気嵐時のサブストームに着目してイメージ衛星とファスト衛星の同時観測イベント,さらにジオテール衛星との同時観測イベントを調べた.サブストームにおける電離圏からのイオンアウトフローは,プラズマシートのイオン組成に対して2段階の効果(速い効果とゆっくりした効果)を及ぼしていることが明らかになった.
|