2007 Fiscal Year Annual Research Report
磁気圏対流発達における電離圏極-赤道電磁エネルギー結合の役割
Project/Area Number |
18540445
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Research Institution | Kibi International University |
Principal Investigator |
橋本 久美子 Kibi International University, 政策マネジメント学部, 准教授 (00389008)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 崇 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (70358977)
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Keywords | 磁気圏対流 / 電離圏対流 / 磁気圏電離圏複合系 / 過遮蔽 / DP2電流系 |
Research Abstract |
平成19年度は、磁気圏電場の中低緯度・赤道電離圏への侵入と過遮蔽が磁気嵐、およびサブストームの各相に与える影響について研究を行った。主に下記のような成果を得た。 (1)磁気圏電場の赤道電離圏への侵入を、磁気嵐の3事例について調べた。解析した事例は、磁気嵐の主相時に東向きの赤道DP2電流、回復相で西向きの逆ジェット電流(CEJ)を伴った。赤道DP2の開始は、磁気嵐環電流の開始と同時であり、2-3時間、継続した。開始の同時性は、対流電場が赤道電離圏へ侵入すると、ほぼ同時に内部磁気圏へ侵入することを示しており、Hashimoto, et. al.(2002)で示した内部磁気圏電場と電離層電場の密接な関係を支持する結果である。一方、赤道DP2は、主相後半には減少し、回復相の初期で過遮蔽によるCEJが発生することが見出された。過遮蔽電場は、磁気圏対流とともに電磁エネルギーが低緯度電離圏へ流入するのを阻害する。これらの結果は、DP2電流に伴う電場が環電流発達に寄与し、過遮蔽電場が環電流の衰退に寄与することを示唆する。 (2)サブストームの爆発相開始の数分前に、対流電場の過遮蔽が発生するという昨年度の成果を、磁力計網の1秒サンプリングデータを用いて検証した。事例解析の結果、昼間側のサブオーロラ帯から中低緯度、赤道で、過遮蔽が発生して2分後に、夜中の中緯度でポジティブベイが発達し始め、Pi2地磁気脈動が開始したことが明らかになった。この結果は、サブストーム爆発相開始時に、まず領域2沿磁力線電流と赤道環電流が発達することを示唆する。
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