2006 Fiscal Year Annual Research Report
石英1粒子による段丘堆積層の赤色熱蛍光年代測定法の開発
Project/Area Number |
18540448
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
鴈澤 好博 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (40161400)
|
Keywords | 赤色熱蛍光 / 年代測定 / 段丘堆積物 |
Research Abstract |
赤色TLは熱安定性に優れ,他の年代測定法では測定が困難な更新世中後期の時代決定に適している.また,赤色TLが太陽光にブリーチされる性質を利用し,堆積物の年代測定が可能である.そこで,石英1粒子から段丘堆積物の年代測定を行う方法を考案した. 本年度(1年目)は,SAR法実験が行えるよう小型X線の搭載など測定装置の改良を行った.その結果SAR法測定が可能となり,同一試料を繰り返し測定することで,試料蓄積線量を決定することができた.しかし,石英を繰り返し測定することによる赤TLの感度変化が5%程度認められた.このためドーズリカバリーテストを行い,感度補正行えば,良好な年代が得られることが明らかになりつつある.この成果をフィッショントラックニュースレター19号,P51-55ページに示した.さらに,段丘堆積物の石英1粒子から石英分割法により2分割した石英片から,見かけの蓄積線量と人工太陽ブリーチによる残存レベル(残存蓄積線量)を求めた.石英分割片からは微弱ながら記録可能な赤TLシグナルが検出され,また,ブリーチされた分割石英片からもシグナルが検出された.その結果,今年度の改良装置により単粒子から年代測定が可能であることが示された.この成果をフィッショントラックニュースレター19号,P57-60ページに示した.また,年代の最も若い石英集団が堆積物の真の年代に近似するとの予想から,約30粒子に石英分割法を適応した.その結果,約5粒子が予想年代を示し,考案した石英分割法は有効であると考えた.この成果を2006年10月に香港で行われた第1回アジア-太平洋ルミネセンス年代測定学会で発表した.
|