2006 Fiscal Year Annual Research Report
アマミノクロウサギ"族"の進化学的研究:ヨーロッパ,アフリカへの拡散
Project/Area Number |
18540464
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | National Museum of Nature and Science, Tokyo |
Principal Investigator |
冨田 幸光 独立行政法人国立科学博物館, 地学研究部, 室長 (00150029)
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Keywords | アマミノクロウサギ / Aztlanolagus / Pliopentalagus / アカウサギ類 / ウガンダクサウサギ / アラゲウサギ / 系統進化 / 古生物地理 |
Research Abstract |
本研究は,アマミノクロウサギおよびその近縁属全体の系統進化と古生物地理を明らかにするという研究のパート2に当たる研究であり,アジア,ヨーロッパ,アフリカから知られる絶滅および現生の近縁属と,Pliopentalagus属との系統関係および古生物地理を具体的に解明することを目的としている.18年度は3年計画の初年度である. 18年度の最大の調査は,アフリカに現生するアカウサギ類3属5種およびアジアのアラゲウサギ,さらに化石のSerengetilagusについて,その歯列と頭骨についての形質の記載,計測,スケッチ,写真撮影等の詳しいデータ蒐集を,8月から9月にかけて大英自然史博物館で行った.さらに,10月にはアメリカのテキサス大学においてAztlanolagusの臼歯の一部を切断してエナメル質の湾入の存否を確認する計画だったが,実際にテキサス大学に行ってみると,これまで当事者以外には存在が知られていなかった化石が見つかり,その中にエナメル質の湾入があることが確認できた. これらの研究調査により,以下のような点が明らかとなった.(1)アフリカに現生する3属5種のうち,ナタールアカウサギを除く種については,研究に入る前の作業仮説にほぼ一致したが,ナタールアカウサギの系統上の位置については,慎重な検討が必要である.(2)アフリカのウガンダクサウサギとアジアのアラゲウサギは当初の予想以上にきわめて近縁である.(3)Aztlanolagusは間違いなくアジアの原始的なPliopentalagusの子孫系統である. 06年6月に北京で開かれたIPC2006で,本研究の作業仮説的内容を発表した.
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