2006 Fiscal Year Annual Research Report
アルミニウムを含む下部マントル鉱物の結晶構造および熱力学的安定性
Project/Area Number |
18540478
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
糀谷 浩 学習院大学, 理学部, 助手 (60291522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤荻 正樹 学習院大学, 理学部, 教授 (30126560)
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Keywords | マントル / ペロブスカイト / アルミニウム置換 / 酸素欠陥 / カルシウムフェライト / 固溶体 / 高圧相平衡 / リートベルト解析 |
Research Abstract |
1.下部マントルの主要構成鉱物であると考えられているペロブスカイト型MgSiO_3において、チャージバランス型置換のみによりアルミニウムを固溶させたもの、および酸素欠陥型置換も含んだ置換によりアルミニウムを固溶させたものを高圧合成し、X線回折プロファイルを取得した。リートベルト法による結晶構造解析の結果、酸素欠陥型置換を伴うと予想されるアルミニウム含有ペロブスカイトとチャージバランス型置換のみものの間には結晶構造に有意の違いが見られた。特に、酸素欠陥を伴うペロブスカイトにおいては、酸素欠陥はランダムに存在しており、酸素欠陥型置換のみによるアルミニウムの最大固容量は約5mol%であることが示された。 2.玄武岩の高圧相にはカルシウムフェライト型結晶構造を持つ相が現れる。その相の主成分であるMgAl_2O_4-Mg_2SiO_4系において、高圧相平衡関係を高圧高温実験により明らかにした。1600℃,約23GPa以上においてカルシウムフェライト型MgAl_2O_4-Mg_2SiO_4固溶体は安定に存在し、またMgAl_2O_4カルシウムフェライトへのMg_2SiO_4成分の最大固溶量は27GPaまでの圧力において約35mol%であることが分かった。また、リートベルト解析によりMgAl_2O_4-Mg_2SiO_4カルシウムフェライト固溶体の結晶構造の精密化が行われ、その結果を用いて仮想的なMg_2SiO_4カルシウムフェライトの体積が推定された。得られた仮想Mg_2SiO_4カルシウムフェライトの体積はペロブスカイト型MgSiO_3+岩塩型MgOのものに比べて大きいため、下部マントル条件下では安定に存在しないことが予想された。
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Research Products
(3 results)