2006 Fiscal Year Annual Research Report
新材料アンビルを用いた高圧下における鉄-硫黄合金融体の粘性測定
Project/Area Number |
18540480
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Japan Synchrotron Radiation Research Institute |
Principal Investigator |
舟越 賢一 (財)高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門・極限構造チーム, 副主幹研究員 (30344394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下埜 勝 龍谷大学, 理工学部, 実験講師 (30319496)
大高 理 大阪大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (40213748)
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Keywords | 高圧 / 融体 / 鉄 / 硫黄 / 粘性 / 放射光 / 外核 / アンビル |
Research Abstract |
「研究の目的」 地球の外核は、鉄と少量のニッケル、軽元素(S, C, O, Siなど)で構成されていると考えられており、中でも硫黄は鉄に対して最も影響を与え、外核の粘性などの物性を支配していると予想される。しかし、外核の存在する超高温・高圧力条件(4000℃以上、140GPa以上)での実験は不可能であるため、できるだけ幅広い温度圧力条件で粘性実験を行い、求められる活性化エネルギーと活性化体積から外核条件下の粘性を決定することが重要である。本研究では、従来使用されている超硬アンビルに比べて格段に高圧力発生が見込まれるSiC-ダイヤモンド複合体アンビルの技術開発を行うことにより、これまで14GPaまでが限界であった高圧粘性実験を30GPa以上へと拡大し、鉄-硫黄合金融体の精密な活性化体積、活性化エネルギーを決定する。 「本年度の研究実施計画」 1.大型SiC-ダイヤモンド複合体アンビルの製作 ダイヤモンド、Si、SiCのアンビル原料の粒径、混合比や、HIP合成の際の真空度、温度条件等を試験した結果、15mm角立方体のSiC-ダイヤモンド複合体の合成法はほぼ確立され、アンビルに使用するための量産体制が整った。また昨年末に世界で初めて25.5mm角立方体の大型SiC-ダイヤモンド複合体の合成に成功した。まだ加工の際にひびが入ったり、割れやすいなどの技術的な課題は残るが、大型SiC-ダイヤモンド複合体アンビルの製作が可能になった。 2.高温高圧発生試験 SPring-8の放射光とマルチアンビル型高圧装置を使って15mm角SiC-ダイヤモンド複合体アンビルの高温高圧発生試験を行った。この結果、圧力で40GPa、温度で1400℃までの発生に成功した。またアンビルのX線透過率は30%以上あることもわかり、X線回折、イメージング実験が十分に可能であることが示された。
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