2006 Fiscal Year Annual Research Report
海水/堆積物のレニウムーオスミウム系の地球化学:海水から堆積物への除去過程の解明
Project/Area Number |
18540482
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
清水 洋 広島大学, 大学院理学研究科, 教授 (60090544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 嘉夫 広島大学, 大学院理学研究科, 助教授 (10304396)
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Keywords | レニウム-オスミウム系 / 酸化還元条件 / 海洋堆積物 / XANES / 溶存形態 |
Research Abstract |
Re-Os系の海洋堆積物への適用は、物質移動に関する情報に留まらず、古海洋環境についても有益な情報が得られると考えられている。その一方で、海水-堆積物系におけるReとOsの分別素過程に関しては充分な理解がなされていない。この点に着目し、本研究では、異なる酸化還元条件下において海水-堆積物間でのReとOsの取り込みを実験的に調べ、以下の結果が得られた。 還元作用の進行に伴い堆積物によるReの取り込みが見られたが、酸化的な実験系では堆積物によるReの取り込みは起こらなかった。この結果から海水中のRe(ReO_4^-)は還元されることにより堆積物に分配され易くなると考えられる。一方、Osは様々な酸化還元条件の堆積物に対してReより顕著な取り込みがみられた。XANESの結果から、Osが酸化的な堆積物中では+4価、還元的な堆積物中では+3価になると推定された。Eh-pHダイアグラムをもとに海水中Osの溶存形態としてOsO_4を仮定すれば、Osも還元されることにより堆積物に取り込まれる易くなることが考えられる。 本研究により、酸化還元条件の異なる海洋堆積物・堆積岩等の^<187>Re/^<188>Os比変動は堆積物によりReが取り込まれるか否かによって支配されていることが明らかとなった。強還元環境では堆積物へのReの分配が大きくなり、より大きな^<187>Re/^<188>Os比が達成される。その結果、大きな^<187>Os/^<188>Os成長が得られRe-Os法による正確な年代決定に有利であることが、分別挙動から示された。 これらの成果は、海洋でのReおよびOsの挙動、Re/Os比の分別、様々な海洋関連試料での^<187>Os/~<188>Os比の変動、などを理解する上で非常に重要な成果である。
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Research Products
(3 results)