2007 Fiscal Year Annual Research Report
磁気再結合の運動論的モデルと高エネルギー粒子生成機構
Project/Area Number |
18540487
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
竹内 智 University of Yamanashi, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (50115317)
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Keywords | プラズマ衝撃波 / 高エネルギー / 磁気中性面 / Magnetic Trapping Acceleration |
Research Abstract |
この研究では,運動論的な立場から磁気再結合について理論的な解析を行った.これまで電磁流体として扱われてきた磁化プラズマをプラズマの衝撃波として扱い、さらに,磁気再結合のモデルとして,二つの磁化プラズマ衝撃波が正面衝突する場合を考えた.相対論的な運動方程式にもとづいて、電磁場の形成や粒子の捕捉,加速の機構を明らかにし,粒子軌道の解析からエネルギー利得を導出した.それによって,宇宙の大規模磁気再結合から太陽フレア・地球磁気圏尾部,さらにはZピンチや〓ピンチなどの実験における磁気再結合までも対象として,低・中・高エネルギー生成過程が明らかになった.この粒子加速機構は「磁気的捕捉による粒子加速の機構(Magnetic Trapping Acceleration: MTA)」の応用研究と位置づけられる. 相対論的運動方程式の解析によって,次のような関係を導出した. γ_s=β^3_p/4α^2ζ_o ただしノγ_s,α,β_p,ζ_oはそれぞれ加速粒子の最終利得,衝突する磁場の曲率半径,衝撃波の位相速度,粒子の初期位置である.この関係から、曲率半径がゼロに近い場合(平面衝突:α=0)、あるいは磁気再結合の中心部に粒子が存在する場合(ζ_o=0)、粒子は際限なく加速されることが示された.また,多数粒子の数値計算から磁気再結合に特有な現象であるプラズモイドや磁力線方向への加速も示された。
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