2007 Fiscal Year Annual Research Report
高強度短パルスレーザーと巨大分子・クラスター・ドロプレットとの相互作用
Project/Area Number |
18540494
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村上 匡且 Osaka University, レーザーエネルギー学研究センター, 准教授 (80192772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西原 功修 大阪大学, レーザーエネルギー学研究センター, 教授 (40107131)
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Keywords | イオン加速 / 自己相似解 / 単色ビーム / ドロップレット / 超短パルスレーザー |
Research Abstract |
1.電荷非中性を考慮した厳密な自己相似解と粒子シミュレーションとの比較 電荷非中性を考慮した系において初めて得られた全く新しい自己相似解[M. Murakami and M. Basko, Phys. Plasmas 12, accepted for publication(2006)]の理論予想を、N体粒子シミュレーションの結果と比べた。その結果、加速イオンに対するエネルギースペクトル、最大イオンエネルギー、さらに熱電子から最終的なイオンの運動エネルギーへの変換効率といった主要な物理量に対し、理論予想はシミュレーション結果を非常に良く再現する事が分かった。上記の自己相似解を使って、これまで正確に定量評価できなかったプラズマの挙動を正確に記述できるため、その意義は大きい。 2.球ドロップレットターゲット中に含有される少数プロトンによる単色ビームの生成 電荷非中性の自己相似解に基づけば、電場の時間空間依存性を厳密に定量評価できる。これを利用してドロップレットプラズマの内部に一様に分布したテスト粒子群の挙動を解析に求める事に成功した。その結果、これらテスト粒子はほぼ単色に近いエネルギー粒子群に加速されることが分かった。これは、ターゲット内部でテスト粒子は加速を受け、真空中では殆ど加速をいけないことに起因している。この単色ビームの開発は、将来の癌セラピーやレーザー核融合といった、医療応用、エネルギー開発に繋がる可能性を持っており、本研究成果は意義ある結果である。
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