2008 Fiscal Year Annual Research Report
高強度短パルスレーザーと巨大分子・クラスター・ドロプレットとの相互作用
Project/Area Number |
18540494
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村上 匡且 Osaka University, レーザーエネルギー学研究センター, 准教授 (80192772)
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Keywords | プラズマ膨張 / 自己相似解 / 最大イオンエネルギー / ナノクラスター / N体粒子シミュレーション |
Research Abstract |
イオン加速モデルの構築 単イオン種のプラズマ膨張に対する理論を拡張し、任意の幾何形状におけるプラズマ膨張を記述できるように拡張した。これは、ポアソン方程式をセルフコンシステントに満たすイオンと電子の2流体プラズマに対する方程式系から導かれる新たな自己相似解がベースとなっている。以下、簡単にこれまで得られた成果を列挙する。 まず以下の物理ファクターに関して理論モデルを拡張した。 (a)テスト粒子加速 単イオン種のターゲットの表面にプロトンなどの低Z物質のテスト粒子を置き、イオン加速がどこまで増大できるかを探った。テスト粒子を駆動するバックグラウンドの静電場の時間・空間依存性は既に得られた。この問題はコンタミネーション応用への有用な知見を与える。 (b)多種イオン系への拡張 現実のクラスターやドロップレットといったターゲットがプラズマ化し膨張する際は、電離度や質量数の異なる多種イオンの混合体として膨張する。その過程で電離度の高いイオンや軽いイオンが相対的に強く加速される。十分時間が経過すると初期の形状といった初期条件を“忘れ"、したがって系全体の自己相似的な振る舞いに帰着する事が期待される。そこで、単イオン種を記述する方程式系を複数のイオン種が含まれる系に拡張した。これにより、初期の電離度の構成比が最終的な系のエネルギースペクトルに与える影響を定量的に明らかにした。
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