2008 Fiscal Year Annual Research Report
薄膜を用いた短パルスコヒーレントX線発生のための基礎プロセスの解明
Project/Area Number |
18540497
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
匂坂 明人 Japan Atomic Energy Agency, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (20354970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河内 哲哉 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (40343941)
大道 博行 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究主席 (70144532)
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Keywords | 高強度レーザー / 高次高調波 / プリフォームドプラズマ |
Research Abstract |
薄膜を用いた短パルスコヒーレントX線発生のための基礎プロセスを解明するため、超短パルス高強度レーザーと薄膜との相互作用により発生する高次高調波に注目し、高調波のスペクトル形状の測定を行った。超短パルス高強度レーザーを薄膜ターゲットに照射した際、レーザーのメインパルスよりも時間的に前にある自然放出光の増幅(ASE)成分の強度が高い場合、プリフォームドプラズマが生成される。 実験では、チタンサファイアレーザーを用いて薄膜ターゲットに集光照射した。そして、高強度レーザーと薄膜との相互作用が高調波のスペクトル形状へ与える影響を調べた。詳細なスペクトル形状の測定を行うため、レーザー反射方向に分光器を設置し、4次までの高調波スペクトルを計測した。分光器の相対強度については、ランプを用いて校正を行っている。レーザーのエネルギーを一定にし、パルス幅を〜30fs、〜100fs、〜500fsと変え、レーザーのピーク強度を変化させて照射を行った。パルス幅を〜30fsと〜100fsに設定した場合、どちらも高調波のスペクトルが主に長波長側へ広がり、スペクトル幅が広くなるとともに強度が減少した。これに対し、パルス幅を〜500fsに設定し、レーザーのピーク強度を下げた場合、高調波スペクトルの広がりが狭まり、強度が増加することを確認した。パルス幅を〜30fsや〜100fsに設定した場合に高調波スペクトルが広がり、強度が減少するのは、レーザーのピーク強度が増加することで、メインパルスとプリフォームドプラズマとの相互作用の影響が無視できなくなるためだと考えられる。
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