2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540498
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
足立 聡 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 助教授 (80358746)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高柳 昌弘 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 主任研究員 (00392811)
松本 聡 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 主任研究員 (90360718)
依田 眞一 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 教授 (00344276)
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Keywords | 複雑系プラズマ / プラズマパラメータ計測 / 二体分布関数 / 平均粒子間距離 / 自己組織化メカニズム / クーロン結晶 |
Research Abstract |
プラズマパラメータを把握するためにシングルプローブを製作し、電子温度、電子密度、プラズマ電位を計測した。用いたガスはヘリウムである。計測の結果、電子温度、電子密度は、高周波電極のほぼ全域で平坦であり、プラズマ電位は、高周波電極の外側まで平坦であることが分かった。プラズマ電位が平坦であることは、本装置では粒子を閉じ込める電位が形成されないことを示しており、本実験装置を用いてクーロン結晶を形成できれば、自発的な形成メカニズムが存在していることを強く示唆することとなる。そこで、直径1μmのシリカ製単分散微粒子を用いてクーロン結晶形成実験を行ったところ、圧力がピラニゲージ直読値で0.1〜0.6Torr、高周波電力出力が0.2〜10Wの範囲内でクーロン結晶が形成できることを確認した。クーロン結晶の大きさは、観察視野の関係から正確に測定することは困難であるが、最大で直径4cm以上と推察している。また、鉛直方向のレイヤー数も15層以上と巨大なクーロン結晶形成に成功した。クーロン結晶の粒子間距離を支配している要因を明確にするために、種々のパラメータに対する平均粒子間距離の依存性を調べた。その際、平均粒子間距離を求めるために、二体分布関数を観察データから算出した。依存性を調べた結果、デバイ長及びプラズマ圧力を粒子電荷の2乗で割ったものに対して、強い依存性を示すことが明らかとなった。また、前者の依存性から、平均粒子間距離はデバイ長程度のオーダーであることも明らかとなった。後者のパラメータは、粒子を互いに近づけるための駆動力であるプラズマ圧力と、クーロン斥力のエネルギーとの比と考えて良いことから、平均粒子間距離は、プラズマ圧力が押す力とクーロン斥力とのバランスで決定されるとの仮説を得た。次年度はこのより広いパラメータの範囲での依存性を調べると共に、実験結果を基にモデル化を図る。
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