2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540498
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
足立 聡 Japan Aerospace Exploration Agency, 宇宙科学研究本部, 准教授 (80358746)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高柳 昌弘 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 主任研究員 (00392811)
松本 聡 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 主任研究員 (90360718)
依田 眞一 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 教授 (00344276)
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Keywords | 複雑系プラズマ / プラズマパラメータ計測 / 二体分布関数 / 平均粒子間距離 / 自己組織化メカニズム / クーロン結晶 |
Research Abstract |
本研究の目的は、クーロン結晶の一次元モデルに基づいたクーロン結晶形成実験を行い、モデルが予測する引力・斥力に基づく自発的構造形成が可能であるかを実験的に明らかにすることである。 このため、平成19年度では、前年度に得た新しい仮説「平均粒子間距離は、粒子を押す作用であるプラズマ圧力と粒子を引き離す作用であるクーロン斥力とのバランスで決定される」を実験的に石能な限り確認することを目的として研究を行った。そのため、前年度の粒子径1μmから主として5μmに変更して実験を行った。5μmの揚合も、1μmの場合と同様に、人為的な粒子閉じ込めを行1ことなくクーロン結晶を得ることに成功した。また、粒子表面電荷の2乗とプラズマ圧力との比、及びデバイ長に対する平均粒子間距離の依存性を、前年度よりも広い範囲において取得した。より広範囲なデータを取得できた理由は、圧力をより低く設定すると共に、投入電力をより高く設定できたためである。これらの依存性は前年度と同様に、直線的な比例関係にあることが分かった。このことは、前年度得た仮説を支持する結果であると言える。引力に相当する粒子を近づける力と斥力とのバランスで粒子間距離が決まるとする考えは、これまでに提案されたことは無く、本研究を通じて、クーロン結晶の自己組織化メカニズムの理解を進めることができたと考える。また、新しい結果として、ある条件を境として、異なる直線的な比例関係に変化することを見出した。理論面では球座標系モデルに変更し、計画を上回る二次元シミュレーションを実施したが、粒子間距離を気量的に説明するためには、更なるモデルの改良が必要との認識に達した。
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