2007 Fiscal Year Annual Research Report
POST-HF計算用基底関数の作成とWEBアプリケーションの開発
Project/Area Number |
18550001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
野呂 武司 Hokkaido University, 大学院・理学研究院, 准教授 (50125340)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関谷 雅弘 苫小牧駒澤大学, 国際文化部, 教授 (60241296)
古賀 俊勝 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (90113688)
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Keywords | 基底関数 / 電子相関 / 相対論 / セグメント型基底関数 / 内殻電子 / webアプリケーション / 基底関数データベース |
Research Abstract |
1.基底関数の作成webアプリケーションへの登録 すでに登録した基底関数のすべてに、diffuse関数の付加をオプションとして選択できるよう拡張を行った。また、新たに開発された遷移金属用MCPの登録をい、現在公開されている基底関数の数は約10000となった。実際の分子計算でそのまま使用できる形での基底関数の公開は、本研究によるwebアプリケーションが唯一のものであり重要である。 2.アルカリ、アルカリ土類金属とランタン、アクチニド原子の内殻を含む電子相関用基底関数の開発を行った。内殻電子の電子相関用基底関数は、正確な自然軌道を再現するように最適化し、Csより重い元素については相対論の効果も考慮した。性能テストも行い、原子では正確な自然軌道の99%の相関エネルギーを与え、また水素化物でも良好な分光乗数を得た。これまでに発表されている基底関数に比べて、比較的小さな2倍基底では格段に優れた性能を有し、より大きな基底では関数の項数が少ないにも関わらず同程度の性能を持ち、さらにこれまでには存在しなかったRb以降の重原子に対して基底関数を開発したことは有意義である。この結果は分子科学討論会で発表した。論文発表準備中である。 3.基底関数最適化プログラムに、相対論の効果を取り入れるために、Douglas-Krollの方法を実装した。この際、非相対論、2次、3次のDouglas-Kroll近似、そして、原子核の点電荷近似、有限核近似の組み合わせが選択できるように実装した。相対論の積分では、補助関数を多数用い、高い計算精度を保証した。また、f殻のエネルギー表式の実装も行い、周期律表のすべての元素のSCF-CI計算に対応するようにプログラムの拡張を行った。
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