2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18550006
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
泉岡 明 Ibaraki University, 理学部, 教授 (90193367)
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Keywords | 量子ドット / ナノ材料 / 半導体物性 / 複合材料・物性 |
Research Abstract |
サブナノメーターサイズの金属クラスターの性質は通常の金属ナノ粒子に比べ、金属原子どうしの相互作用よりも保護配位子との相互作用が大きく反映されると考えられる。これまで、[Ag_<123>S_<35>(StBu)_<50>]や[Ag_<344>S_<124>(StBu)_<96>]などの銀環状オリゴマーが報告され、その構造や電子的性質はとても興味深いものである。我々はジチオカルバメート誘導体を配位子として用いた、サブナノメーターの銀ナノクラスターの調製とその基礎物性について検討を行った。また、3次元構造体の開発には単一なナノ粒子が要求されるため、単分散でサイズ選択的に得る方法の確立を行った。 水溶性ジチオカルバメート塩と硝酸銀水溶液を混合することにより銀ナノ結晶を得た。本結晶はX線結晶構造解析より、Ag_6クラスターと中心原子に硫黄原子をもつAg_8Sクラスターを含み、すべての銀がAg^<+->Ag^+で結合した構造であることがわかった。硫黄原子はAg_8クラスターの中心に位置し、磁化率測定よりこの結晶は反磁性であること等により、形式的にS^<2->として存在していることが考えられる。Ag_8Sクラスターは直接Ag^-Ag結合を介してAg_6クラスターと規則的な二次元シート構造を形成しており、電子物性に興味がもたれる。この構造はAg_123等の銀ナノ粒子形成時における核構造と密接に関連していると考えられる。 我々はこれまでに2nm以下、3nm、4nm及び8nmのサイズ領域の量子ドットとしての金ナノ粒子についてそれぞれ粒径分布幅の狭いサイズ選択的調製法の開発を行った。これらの調製法の開発には速度論的調製法、酸化剤を用いたエッチング、pH制御下における調製、温浸による粒径制御について検討した。これらの方法により、上記サイズ領域において5〜10%の規格化分散にまで粒径分布幅を狭めることに成功した。
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Research Products
(7 results)