2007 Fiscal Year Annual Research Report
強磁場を利用した水和イオン集団の水素結合ネットワーク形成に関する研究
Project/Area Number |
18550019
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
藤原 昌夫 Hiroshima University, 大学院・理学研究科, 助教 (00199390)
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Keywords | 強磁場 / 磁性イオン / 磁気力 / 磁気移動 |
Research Abstract |
強磁場下,液相で磁性水和イオンは磁気力によって移動する。このとき,水和イオンは単独でなく,多数の水和イオンから成る大きな集団を形成して運動する。本研究の目的は,この水和イオン集団について,サイズと構造を解明することである。 問題を,磁性水和イオン集団の磁気移動と,磁性水和イオン個別の熱拡散に分けて考察する。 磁性水和イオン集団の磁気移動に対しては,水和イオン集団を球体に近似して,周囲のバルク水分子の中で磁気力と摩擦力が釣り合って,水和イオン集団が終末速度で-方向(1次元的)に移動すると仮定した。 磁性水和イオン個別の熱拡散に対しては,熱攪乱によって個別磁性イオンが平面内(2次元的)に拡散して,水和イオン集団内部で個別磁性イオン間の間隔(距離)が拡大する点を考慮した。 磁性水和イオン集団のサイズとして,直径4.6μmの見積もりを得ているが,これは非常に大きい。一方,水和イオン集団を流体と考えて,水和イオン流体がバルク水分子の中を流れると仮定すると,移動速度の計算値は実験値を20倍も上回ってしまう。 直径4.6μmの磁性水和イオン集団には,初期状態(時刻ゼロ)で30,000,000,000個の磁性イオンが含まれ,どうしてこれだけ多くの磁性イオンが集団を形成するのかは,今後の検討課題である。
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