2008 Fiscal Year Annual Research Report
インスリン水溶液における液液相分離曲線と液滴および結晶のゼータ電位の決定
Project/Area Number |
18550020
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
和泉 研二 Yamaguchi University, 教育学部, 教授 (70260677)
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Keywords | タンパク質 / 結晶成長 / インスリン / 相分離 / ゼータ電位 |
Research Abstract |
蛋白質の機能を理解するには、蛋白質分子の精密な3次元構造を知ることが重要である。そのためには良質の単結晶を必要とするが、多くのタンパク質では良質な単結晶が得られず、研究遂行上のボトルネックとなっている。近年、蛋白質溶液が液液相分離を起こすと、蛋白質濃度の高い液滴相が溶液中で形成され、液滴中で結晶核の形成が素早く開始されるという「液滴経由のタンパク質結晶核生成機構モデル(Two Step Nucleation Model)」が提唱され、液滴をうまく利用すれば、溶液全体の過飽和度をあげることなくタンパク質の均一結晶核形成速度を大きくできると期待された。核形成の駆動力は過飽和度によって決まるので、低過飽和度の溶液中での核形成速度は小さくなるが、一般に結晶は良質となる。従って、液滴をうまく利用すれば、低過飽和度の溶液中で効率的に良質の単結晶を育成できる可能性がある。 本研究は、代表者が先に発見したインスリンにおける液滴形成および液滴経由の結晶成長を理解する上で重要かつ基本的な物性である、1)溶解度曲線および液液相分離曲線の決定(温度依存性およびpH依存性)、2)液滴および結晶のゼータ電位のpH依存性の決定を試みるものである。 H20年度も前年度に引き続き液液分離曲線の決定とゼータ電位のpH依存性の決定を試みた。その結果、インスリン結晶のゼータ電位に特異なpH依存性を確立することができた。しかし、液滴に関する測定データはいずれもばらつきが大きく、今後の課題となった。
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Research Products
(1 results)