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2006 Fiscal Year Annual Research Report

複素座標法を用いた原子・分子の共鳴状態およびイオン化過程の理論的研究

Research Project

Project/Area Number 18550023
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionKeio University

Principal Investigator

薮下 聡  慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (50210315)

Keywords複素座標法 / 超励起状態 / 光イオン化 / 共鳴状態 / スピン軌道相互作用 / 振動数依存分極率 / 自動イオン化 / 軌道指数最適化
Research Abstract

1.量子力学的散乱問題において興味深い現象に、共鳴現象がある。複素座標法は、共鳴位置及び寿命を求めるために開発された理論的方法であるが、(1)共鳴位置、寿命、あるいは断面積などは、実際の計算に含まれる基底関数展開などの近似操作によりθ依存性をもち、その最適値を求めるのが困難。(2)複素座標法に習熟しないと基底関数の選択が困難で、経験が必要である。(3)数値計算に複素数演算をかなり含み、数値的にも不安定な場合がある。本研究では以上の問題点を解決し、新しい型の複素座標法を構築し、更に種々の問題に応用することを目的としている。
2.まず上記(1)(2)の問題点を解決する目的で、軌道指数に関するエネルギー勾配法の適用を検討した。通常の実数Hamiltonianと複素座標変換した基底関数を使用して、
(1)水素分子のΣ、Πの対称性を持つ2電子励起状態を扱い、通常の実数基底関数にわずか一つの複素数基底関数を追加し、その複素数軌道指数を最適化することにより、これまで10個程度の複素数基底関数を要した計算結果を再現することに成功した。
(2)水素原子、ヘリウム、水素分子イオン、水素分子などの光イオン化断面積を、複素座標法に基づき振動数依存分極率の虚数部分から計算した。その際に、複素数基底関数を一個だけ含めて、分極率の持つ変分的性質を使って、その軌道指数を最適化した。その結果、ヘリウム原子の断面積については、2電子励起状態に基づくFano線形まで非常に精度よく再現することに成功した。水素分子については、終状態を一つの基底関数で表現できない場合があることが明らかになった。この点は、数個の基底関数を使って同時に最適化することにより、解決できる可能性があり、次年度以降に研究を深めたいと考えている。

  • Research Products

    (1 results)

All 2006

All Book (1 results)

  • [Book] ライフコンジュゲートケミストリー IV編 4章 「分子の本質を解く」2006

    • Author(s)
      藪下 聡
    • Total Pages
      15
    • Publisher
      三共出版

URL: 

Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

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