2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18550026
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
伊東 俊司 Hirosaki University, 大学院・理工学研究科, 教授 (10213042)
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Keywords | 有機酸化還元系 / エレクトロクロミズム / シアニン染料 / 電子・電気材料 / アズレン |
Research Abstract |
安定化された発色系であるシアニン類を用いて、電気化学的にシアニン型の発色系間を相互変換するシステム(シアニン-シアニンハイブリッド構造)の構築、また、第2の外部刺激(入力)として、金属イオンとの超分子構造の生成に基づく光応答性機能と電気化学的機能との複合化、溶媒の液性や極性に依存するハロクロミズムやソルバドクロミズムなどに対する応答性機能を合わせ持つ多重応答機能分子の構築についてその可能性の探求を行った。 その結果、シアニン構造の末端部位を新たなシアニン型の発色系で置き換える分子設計指針に則るいくつかの新たなハイブリッド型化合物の構築に成功した。シアニン型の発色系の選択としてカルボカチオン型のπ共役系を選択し、このような分子設計指針に則り、多段階に電子移動を示す電気化学的応答機能を有する有機酸化還元系の構築に成功した。また、シアニン-シアニンハイブリッド構造に基づく分子設計により制御された各2電子ずつの多段階の酸化還元系骨格をもとに、新たな第2の外部刺激として、熱的な外部刺激による液晶相への相転移挙動を合わせ持つ応答性分子の構築を目指して長鎖アルキル基の導入されたハイブリッド構造の構築を検討した。さらに、窒素原子等、金属イオンとの配位結合の形成を可能とする部位を酸化還元系に導入したハイブリッド構造の構築により、蛍光挙動等の新たな光応答性機能との複合化、また、ドナー-アクセプター構造の導入効果による溶液の極性に対する応答性機能等を明らかにした。これらの結果より、電気化学的な応答性機能に加え、第2の入力においても応答性機能を有する多重入力、多重出力型の応答性機能分子の実現が可能となることを明らかにした。
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Research Products
(6 results)