2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18550033
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Research Institution | Fukui University of Technology |
Principal Investigator |
小松 紘一 Fukui University of Technology, 工学部, 教授 (70026243)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 靖次郎 京都大学, 化学研究所, 准教授 (40314273)
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Keywords | 水素内包フラーレン / 分子手術法 / ヘリウム内包フラーレン / ニトロキシドラジカル / セレン含有開口フラーレン / 電気化学 / フラーレン2価アニオン / NMR低磁場シフト |
Research Abstract |
我々は、新世代の炭素ナノマテリアルの基幹材料として重要であるにもかかわらず、従来法では微少量しか得られない内包フラーレンを効率的に人工合成する分子手術法を確立した。本研究では特に水素およびヘリウムを内包したフラーレンおよび開ロフラーレンについてそれらの物性を検討し、下記の結果を得た。 1、水素およびヘリウム内包フラーレンの合成先に確立した有機合成手法により、水素分子およびヘリウム原子を内包したフラーレンおよび開ロフラーレン類の合成を行なった。 2、内包水素分子とニトロキシドラジカルの相互作用有機溶媒中において、励起された溶媒和水素分子およびフラーレンC60中に内包された水素分子のニトロキシドラジカルによる緩和について検討し、C60のπ共役炭素骨格の効果について明らかにした。 3、セレンを含む13員環開ロフラーレンの合成と水素導入硫黄を含む13員環からなる開ロフラーレンに代わって、セレンを含む開口体を新たに合成し、拡大された開口部からの水素分子の導入を行なった。その活性化エネルギーは硫黄を含む場合より減少することを見出した。 4、13員環開ロフラーレンの電気化学13員環開ロフラーレンとテトラオクチルアンモニウム塩を含むキャストフィルムで修飾した機能性電極を用いる電気化学測定により、この開ロフラーレンが安定なラジカルアニオンおよび2価アニオンを生成することを明らかにした。 5、水素内包フラーレン2価アニオンのNMR水素内包フラーレンを2当量以上のNaSMeで還元して得られる2価アニオンではフラーレン骨格の5員環と6員環の芳香族性が逆転し、内包水素はδ26.4ppmという驚くべき低磁場にNMRシグナルを示すことを見出した。
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Research Products
(5 results)