2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18550035
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
坪井 貞夫 岡山大学, 大学院・環境学研究科, 教授 (00032954)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高口 豊 岡山大学, 保健環境センター, 助教授 (10293482)
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Keywords | フラーレン / デンドリマー / デンドロン / 一重項酸素 / 光触媒 / 光増感剤 / 光誘起電子移動 / 孤立化 |
Research Abstract |
フラロデンドロンを利用した光触媒機能の確認と,光誘起電子移動に関して以下の研究を行った。 (1)フラロデンドロンが,光触媒機能を持ち,オレフィン類に対する光酸素付加反応やスルフィドの酸化反応といった,一重項酸素光増感作用を利用した反応の触媒として働くことを明らかとした。興味深いことに,触媒のTONは約1000回に達し,通常の光触媒に比べ,高い活性を持っていることが明らかとなった。 (2)フラロデンドロンの光物性について明らかとするため,レーザー分光による光誘起電子移動過程の詳細な検討を行ったところ,デンドリマーの世代に応じて,分子間電子移動過程が抑制されるという,デンドリマー特有の効果が確認された。これは,将来的に,デンドリマーの分子ふるい効果や,特異な反応場としての効果を利用した,新規光触媒としての可能性を示唆しており,大変興味深い。 (3)触媒としてより利用しやすくするために,炭酸カルシウムを担体として利用した不均一触媒の開発について検討したところ,均一系よりも高活性の触媒開発に成功した。これは,デンドリマーの効果により,フラーレン部位の孤立化が可能となるため,フラーレンの光励起状態の自己消光過程が抑制されるために,酸素への効率的なエネルギー移動が起こったためと予想され,今後の詳細な検討が必要であると考えている。
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