2006 Fiscal Year Annual Research Report
安定な超原子価有機テルルアニオン種の創製とそれらの中性オクタヘドラル分子への変換
Project/Area Number |
18550045
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
箕浦 真生 北里大学, 理学部, 講師 (30274046)
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Keywords | 超原子価 / テルル / 結晶構造解析 / アート錯体 / NMR |
Research Abstract |
高周期典型元素アート型化学種は反応中間体として重要な化学種である。しかしながら5つの炭素置換基をもつシリカートR5Si-は近年になって単離されたばかりである。申請者らは中性で6つの共有結合を有する超原子価化合物Ph6Teや、カチオン性のPh5Te+が安定に合成出来ることを見出し性質を明らかにしてきた。本研究では残された化学種であるペンタフェニルテルルアニオン、Ph5Te-(1)の性質を明らかにする事を目的として検討を行った。 種々条件検討を繰り返し、低温下(-78℃)Ph4Te(2)と1等量のPhLiを反応させ、溶媒交換を行った後、-78℃で結晶化を行う事でPh5Te-Li+(DME)3を黄橙色の結晶として単離した。またPh3TeClに対して2等量のPhLiを反応させ類似の操作を行う事でも単離する事が可能であった。 得られた結晶のX線結晶構造解析を-173℃で行った。PhsTe-Li+(DME)3は、固体中アニオン-カチオン間は充分に離れており相互作用は認められず、-30℃付近までは分解する事なく存在することが明らかとなった。 固体中1はそのテルル周りで擬オクタヘドラル構造を有しており、中心テルルと5つの炭素との結合長のうち、basal位の4本の結合は、既知の有機テルル化合物の内で最も長い炭素-テルル結合長(2.242Å)を示した。 結晶として単離した1の1H NMRは、重THF中-100℃では、apical、basal位に相当する2種類のフェニル基が強度比1:4で観測され、テルル周りで擬オクタヘドラル構造に凍結されていることを示しており、2のみの同条件下の測定では擬回転が凍結されないこととは対照的である。温度可変および溶媒効果の検討から溶液中では、1【double arrow】2+PhLiの平衡が存在し、その速度は-100℃付近では圧倒的に1に偏ることが示された。
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