2006 Fiscal Year Annual Research Report
白金族元素と希土類元素が秩序化したペロブスカイト化合物の磁気的電気的性質
Project/Area Number |
18550049
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
日夏 幸雄 北海道大学, 大学院理学研究院, 教授 (70271707)
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Keywords | 希土類 / 遷移金属 / 白金族元素 / 酸化物 / ペロブスカイト / 螢石型構造 / 磁気的性質 / 反強磁性転移 |
Research Abstract |
希土類と遷移金属を結晶構造中で秩序配列させた一連の化合物群を新規合成し、その磁気的性質を調べることにより、新たなf-f電子間、f-d電子間の相互作用に起因する特異な物性の発見を目指した。ペロブスカイト型酸化物ABO_3に注目し、希土類とサイズの大きく異なる白金族元素と組み合わせることで、Bサイトに入る元素がNaCl型に規則配列した"ダブルペロブスカイト"A_2BB'O_6構造をとることを見出した。A_2LnRuO_6(A=Sr, Ba)ではLnとRuが規則配列するが、イオンサイズがLnに近いA=Caになると、Caと置換してAサイトを占めるようになり、LnイオンのAサイト占有率は、そのLnイオン半径に依存することがわかった。全てのA_2LnRuO_6(A=Ca, Sr, Ba)で反強磁性転移が見られた。同じ希土類を含む化合物では、Aサイトに位置するアルカリ土類金属のイオンサイズが小さくなるにつれ、磁気転移温度が減少することが見られた。AサイトがBaからSr、Caに変わると、Ln-O-Ruの並びが180°から大きく逸脱するため、酸素原子を介するf-d電子間の磁気的相互作用が弱くなることを反映したものと考えられる。 次に螢石型構造を基本構造にもつ三元系複合酸化物に着目した。螢石型二元系酸化物MO_2では、Mサイトに入る希土類はセリウムと、高圧条件下でのプラセオジム、テルビウムだけで、従って希土類のf電子が螢石型構造の物性の中心的役割を果たした例はない。しかし、+5価の遷移金属を含めることで、3価の希土類を螢石型構造のカチオンサイトへの導入が可能となった(Ln_3MO_7化合物の生成)。しかも希土類と遷移金属は無秩序にカチオンサイトを占めるのではなく、酸素原子を介して希土類が1次元鎖を形成する秩序配列を示し、さらに同様に1次元鎖を形成する遷移金属と2次元平面構造を持つことがわかった。
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Research Products
(3 results)