2007 Fiscal Year Annual Research Report
白金族元素と希土類元素が秩序化したペロブスカイト化合物の磁気的電気的性質
Project/Area Number |
18550049
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
日夏 幸雄 Hokkaido University, 大学院・理学研究院, 教授 (70271707)
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Keywords | 希土類元素 / 白金族元素 / ペロブスカイト / 磁気的性質 / 磁化率 / 比熱 / 磁気秩序 / 磁気的フラストレーション |
Research Abstract |
希土類は遷移金属と比べ、サイズが大きいため、ペロブスカイト型酸化物ABO_3を形成すると、物性を決定するBサイトに入らずAサイトに入るため、希土類が物性の主役とならない。一方、ペロブスカイト型構造は極めて高い化学組成に関する自由度を持ち、適当な組成および合成条件を選択することにより、結晶構造および金属元素の原子価状態を制御することが可能である。そこで前年度に引き続き本年度の研究では、ペロブスカイト型酸化物ABO_3で希土類を物性の表舞台に立たせるため、サイズの大きく異なる白金族元素と組み合わせることにより、(1)ペロブスカイトABO_3のBサイトに、希土類を入れることができ、しかも希土類と白金族元素は構造的に秩序化したペロブスカイト化合物を系統的に新規合成した。(2)すべての化合物は低温で反強磁性転移し、その磁気的性質を中心に、これら2つの元素の相互作用に伴うf-d混合電子系の示す新しい磁気的性質を見出した。 アルカリ金属を含む希土類複合酸化物KLnO_2の結晶構造を決定した。希土類イオンLn^<3+>には6個のO^<2->が配位し、LnO_6八面体を形成、これが頂点共有した2次元層状構造を持つことがわかった。KEuO_2のEuメスバウア分光測定から、Euは+3価であること、その周りには電場勾配が存在することもわかった。磁化率、比熱測定から、Gd、Dy、Ho、Er化合物では磁気転移を示すこと、希土類イオンの三角格子配列に伴う磁気的フラストレーションがおこっていることが明らかとなった。
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