2007 Fiscal Year Annual Research Report
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18550051
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河野 正規 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 准教授 (30247217)
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Keywords | 自己組織化 / 結晶相光反応 / ネットワーク錯体 / 電荷移動相互作用 / ホストーゲスト / 内面修飾 / post-mondification / 単結晶X線構造解析 |
Research Abstract |
前年度で配位空間内部の性質を制御するために、設計性の高い細孔内面修飾法であるカートリッジ合成法を確立した。一般的に、ネットワーク錯体の錯形成はその構成成分の変化に敏感であり、例えば構成成分の有機配位子に-官能基を導入した場合でも、目的とする結晶構造を得るのが困難である。本研究では、トリアジン配位子とトリフェニレン分子間に働く強い電荷移動相互作用に着目し、トリフェニレン分子(カートリッジ分子)にヒドロキシル基、アミノ基などの官能基導入を検討した。その結果、ネットワーク錯体の基本構造を変化させることなしに、細孔内を酸性・塩基性・中性で修飾することに成功した。具体的には、トリフェニレンに水酸基、アミノ基、ニトロ基の導入し、同じ骨格を有するネットワーク構造の構築に成功した。さらに、ヒドロキシル基を導入したネットワーク錯体を用いて、アルコール分子の選択的認識にも成功した。各錯体は細孔の形状・大きさが同じにもかかわらず、カートリッジ分子の官能基がわずかに修飾されることで、細孔内面の雰囲気が大きく変化し、ゲスト包接能が劇的に異なることが示された。今年度さらに、細孔内面修飾法で設計した錯体を用いて、単結晶相での細孔内面修飾(post-modification)を検討した。その手法を利用して、シッフベースなどの縮合反応を検討し、その反応前後をX線構造解析によって直接観察することで、ネットワーク錯体の骨格にダイナミクスが存在することを見出した。このダイナミクスは、錯体骨格の一部がπ-π stackによる空間を介した相互作用によって形成されているため可能になったと考えられる。今後は、本手法を利用して、様々な化学反応の観測可能になると考えられる。
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Research Products
(14 results)