2006 Fiscal Year Annual Research Report
ジピリルメテンをプラットフォームとする多核金属錯体の新規反応開拓
Project/Area Number |
18550058
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
瀬恒 潤一郎 神戸大学, 理学部, 教授 (10117997)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LINTULOTO Juha Mikael 神戸大学, 大学院自然科学研究科, 助手 (20379481)
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Keywords | ポルフィリノイド / オクタフィリン / ロジウム / パラジウム / ピロール / ビピロール / 多核錯体 |
Research Abstract |
金属に対するモノアニオン性の2座配位子として機能するジピリルメテン部位を繰り返し単位として含む新規ポルフィリノイドは特徴ある多核錯体の合成が可能である。その合成ビルディングブロックとして新しいビピロール誘導体の開発を行った。一つはドナーとしての性質を有するα-無置換ビピロールであり、他方はアクセプターとしての性質を有するビスアザフルベンである。前者については鈴木カップリング反応により、種々の芳香族スペーサーを有するα-無置換ビピロールを高収率で合成すると共に、後者に関しては2,2'-ビピロール-5,5'-ビスカルビノールに脱水剤である2炭酸ジ-t-ブチルを作用させる事により、種々の置換基を有するビスアザフルベンを高収率で得た。これらの合成ビルディングブロックを中性条件下で反応させることによって新規ポルフィリノイドを得た。1,3-フェニレンスペーサーを有するテトラフィリン、ヘキサフィリン、オクタフィリン、デカフィリン、ドデカフィリンなどの大環状化合物や2,5-テエニレンスペーサー、2,6-ピリジレンスペーサーを有する特徴あるポルフィリノイドを高収率で得ることが出来た。次にテトラフィリンのRh_2複核錯体の合成を行い、X線結晶構造解析によりその構造を確定した。そのRh-Rh間距離は4.39Åはであった。またテトラフィリンRhPd異種複核錯体を収率よく合成しそのスペクトル的性質を明らかにした。更に2,5-チエニレンスペーサーを有するヘキサフィリンRh3核錯体を合成し、金属-金属間距離が6.853Åである事を明らかにした。これらの新規金属錯体は近接した金属の協同作用を実現するためのプラットフォームとして有用である。
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