2006 Fiscal Year Annual Research Report
ポリ酸塩の欠損部位を新しい化学反応空間とした種々の機能性ポリ酸塩の構築
Project/Area Number |
18550062
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
野宮 健司 神奈川大学, 理学部, 教授 (80119354)
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Keywords | 欠損型ポリ酸塩 / 酸化触媒作用 / Keggin型 / Dawson型 / オルガノシリル基 / チタン / ジルコニウム / ハフニウム |
Research Abstract |
平成18年度交付申請書に従い、ポリ酸塩(polyoxometalate)の欠損部位を利用して、種々の機能を有する新規ポリ酸塩の合成を行つた。以下のような新しい知見・成果を得た。 (1)末端官能基を有するオルガノシリル基担持ポリ酸塩 Dawson型ポリ酸塩一欠損種の欠損部位酸素上に、オルガノシリル基(RSi)_2O基(R=Ph,HS(CH_2)_3,NCS(CH_2)_3など)2つが-Si-O-Si-結合を介して担持された新しいポリ酸塩を合成し、構造解析に成功した。それらはポリ酸骨格から2本の有機側鎖がのびた形の新しい有機-無機ハイブリッド化合物であった。末端-SH基の化合物は金属-硫黄結合を介して貴金属基盤上に固定化できる。 (2)ポリ酸塩欠損種をホストとし酸素架橋複核チタン(IV)種をゲストとした新規錯体 Keggin型ポリ酸塩の一欠損種や三欠損種とビス(オキサラト)オキソチタン(IV)酸錯体との反応により、ポリ酸塩欠損部位をホストとし、酸素架橋チタン(IV)種(-Ti-O-Ti-結合種)をゲストとする新規の1ホスト-2ゲスト型化合物を得た。この反応をさらに発展させて、新規の2ホスト-4ゲスト型化合物を合成し、構造解析に成功した。1ホスト-2ゲスト型化合物は過酸化水素によるアルケンのエポキシ化に非常に高い触媒活性を示した。 (3)一欠損型ポリ酸塩とジルコニウム(IV)およびハフニウム(IV)との相互作用 Keggin型およびDawson型ポリ酸塩の一欠損種とジルコニウム(IV)およびハフニウム(IV)の相互作用により、新規の8配位1:2型錯体を合成し、構造解析を行つた。金属中心の配位構造を詳細に調べた。これらの構造は同族元素であるチタン(IV)とポリ酸塩欠損種の相互作用から得られるチタン(IV)置換ポリ酸塩とは全く異なっていた。
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Research Products
(6 results)