2008 Fiscal Year Annual Research Report
ポリ塩酸の欠損部位を新しい化学反応空間とした種々の機能性ポリ酸塩の構築
Project/Area Number |
18550062
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
野宮 健司 Kanagawa University, 理学部, 教授 (80119354)
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Keywords | ポリ酸塩 / シランカップリング剤 / 無機-有機ハイブリッド型ポリ酸塩 / シロキサン結合 / ポリ酸塩オリゴマー / チタン(IV) / ジルコニウム(IV) / ハフニウム(IV) |
Research Abstract |
平成20年度交付申請書に従い、ポリ酸塩(polyoxometalate)の欠損部位を利用して、種々の機能を有する新規ポリ酸塩の合成を行った。以下のような新しい知見・成果を得た。 (1)新規の無機-有機ハイブリッド型ポリ酸塩(1-1)末端にオレフィン(メタクリル基、アクリル基、ビニル基など)を含有するシランカップリング剤をDawson型ポリ酸塩一欠損種と反応させ、新規の無機-有機ハイブリッド型ポリ酸塩の合成、構造解析を行った。(1-2)それらをプロトン型陽イオン交換樹脂に通薬し、フリーアシッド型に変換した。(1-3)ポリ酸塩フリーアシッド型を重合および共重合によりポリマー化し、ポリ酸塩プロトン酸が組み込まれたポリマーを調製した。(1-4)Dawson型ポリ酸塩一欠損種とSiX_4(X=Cl,OEt)の反応からシロキサン結合で連結されたポリ酸塩三量体を得、構造を決めた。種々のコントロール実験からポリ酸塩オリゴマーの生成機構を明らかにした。 (2)新規チタン(IV)置換ポリ酸塩Dawson型ポリ酸塩-欠損種に硫酸チタン(IV)を反応させ、チタン(IV)一置換体を合成した。その結晶構造を世界で初めて明らかにし、水溶液中の挙動を調べた。 (3)ポリ酸塩欠損種とジルコニウム(IV)およびハフニウム(IV)との相互作用(3-1)Keggin型タングストポリ酸塩三欠損種をジルコニウム(IV)またはハフニウム(IV)と反応させて、ジルコニウム(IV)/ハフニウム(IV)の3核クラスターをサンドイッチした新規ポリ酸塩の合成および構造解析を行った。(3-2) Keggin型ポリ酸一欠損種をジルコニウム(IV)またはハフニウム(IV)と反応させて、ジルコニウム(IV)/ハフニウム(IV)の2核錯体をサンドイッチした新規ポリ酸塩を合成し、構造を決めた。溶液中の挙動と結晶構造の関係を明らかにした。 (4)Dawson型チタン(IV)三置換体四量体とカプセル化イオンの関係テトラポッド型の巨大分子であるDawson型チタン(IV)三置換体四量体は中心空間に種々の陰イオンがカプセル化された形で得られてきたが、今回中心空間に陽イオンがカプセル化された新規化合物の合成条件を明らかにすることができた。
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Research Products
(18 results)