2006 Fiscal Year Annual Research Report
環境を指向した分析法の新展開(多元素同時分析法と新規配位子の開発および機構解明)
Project/Area Number |
18550068
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
澤田 清 新潟大学, 自然科学系, 教授 (40089850)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 敬一 新潟大学, 自然科学系, 助教授 (60225935)
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Keywords | 溶媒抽出 / ポリエーテル / イオン対 / NMR / フタロシアニン / 蛍光光度測定 / 第4級アンモニウム / EDTA |
Research Abstract |
本年度は金属、配位子の両面から環境問題の評価と防止について、「キレート剤の分離分析と抽出機構の解明」と「新規分析試薬の開発と機能の解明」の、2つの方向で研究を進め、次のような成果をえた。 1.キレート剤の分離分析と抽出機構の解明 (1)EDTAの金属陰イオン錯体を第4級アンモニウムイオンで抽出し、EDTAを抽出、分離し、その抽出機構を明らかにした。対象金属イオンはこれまでの鉄(III)に加え、種々の重金属イオンについて調べた。またキレート剤として、より単純な構造を持つ、NTA錯体について抽出挙動と機構の解明をした。 (2)第4級アンモニウムイオンによるイオン対抽出における、アンモニウムイオンの構造、対陰イオンの構造および溶媒の影響を調べた。溶媒の陰イオンへの結合力がイオン対の分配定数の大小を決定する主な機構であることを明らかにした。また、非対称のアンモニウムイオンがより抽出され易い機構を解明した。 2.新規分析試薬の開発と機能の解明 (1)ポリエーテル(PEO)-フタロシアニン(Pc)ハイブリッド化合物の開発と溶液内の構造を調べた。本年度は主に4本のDEO6を側鎖に持つPcについて、スタキッング、アルカリ、アルカリ土類金属イオンとの錯形成について調べた。逐次的に多量化してゆく平衡を定量的に解明した。また特定の金属イオンが錯形成により特異的な吸収帯を出現させることを明らかにした。これらはいずれも、世界で初めての成果である。 (2)新規の生分解性キレート剤を開発し、溶液内錯体構造を明らかにした。エチレンジアミンのコハク酸およびマロン酸誘導体のキレートの錯形成定数および3価金属イオン、重金属イオンの溶液内構造を明らかにした。
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