2007 Fiscal Year Annual Research Report
シトシンバルジプローブを用いる革新的遺伝子-塩基変異の蛍光検出法の開発
Project/Area Number |
18550071
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
武井 史恵 Osaka University, 産業科学研究所, 助教 (30252711)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中谷 和彦 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (70237303)
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Keywords | 一塩基多型 / シトシンバルジ / 蛍光分子 / DNA |
Research Abstract |
最近我々はシトシンバルジに特異的に結合し、特徴的な蛍光を発する低分子リガンド(DANP)を発見した。本研究では、我々が開発したDANPを用いることによりこれら蛍光法の欠点を克服した画期的なSNP (Single Nucleotide Polymorphisms)タイピング法の開発を行うことを目的とした。本年度は昨年度の結果をふまえて蛍光プレートリーダーでのSNPタイピング検出法確立を重点に研究を行った。 (1)プローブの設計 本研究の特徴の一つはプローブ設計の柔軟性にあり、プローブの配列によりシトシンバルジをSNPサイトの5'側、もしくは3'に任意に選ぶことができる。また、SNPサイトの3'側、5'側がともにグアニン-シトシン塩基対である場合には、これを回避するために、プローブ側のグアニンをイノシンに置き換えたイノシンプローブを使用し、タイピングを検討することができる。これらの方法で確立した条件を使ってプローブを設計し、シトシンバルジとDANP複合体からの蛍光を、蛍光プレートリーダーを使って観測し、SNPタイプ別蛍光パターンを作成できた。さらに、プローブに複数のシトシンバルジの存在により、感度があがることを明らかにした。 (2)長波長で検出できるDANP誘導体の合成 DANPはDNAとの複合体を形成することで、最大蛍光波長が長波長側に約40nmシフトして約430nm付近で発光する。もし430nm付近の吸収を持ち、500nm以上で発光する分子がDANPの近傍、またはDANP上に存在すれば、DANP-CバルジDNA複合体を形成するとき、DANPから隣接分子への蛍光エネルギー移動(fluorescence resonance energy transfer, FRET)が起こり、DANPの吸収および発光がない500nm以上で感度よく蛍光が観測できると考えられる。蛍光分子としてFluorescein (F1)を用いて合成の検討を行なった。
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