2007 Fiscal Year Annual Research Report
貴金属ナノ構造体と酸化スズ高次構造体のヘテロ接合による超高感度ガスセンサの開発
Project/Area Number |
18550077
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
酒井 剛 University of Miyazaki, 工学部, 准教授 (40284567)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木島 剛 宮崎大学, 工学部, 教授 (90040451)
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Keywords | 化学センサ / 貴金属ナノ構造体 / 酸化スズ高次構造体 / 半導体ガスセンサ / ヘテロ接合 / 水熱処理 |
Research Abstract |
本研究では、二種類の界面活性剤を鋳型とする複合鋳型法により得られる貴金属ナノ構造体と界面活性剤を鋳型とするナノ構造体の合成法を基に開発したマイクロレベル酸化スズ高次構造体を組み合わせてヘテロ接合を構築することによる超高感度ガスセンサの開発を試みた。 現在までに明らかにされている半導体ガスセンサの高感度化の指針を全て満たすには、貴金属増感剤のナノ構造制御、酸化物半導体の一次粒子径制御、および半導体酸化物感応体の高次構造制御をそれぞれ最適化する必要がある。本研究では、貴金属ナノ構造体/酸化スズナノ粒子/酸化スズマイクロ粒子三相ヘテロ界面の最適化による超高感度半導体ガスセンサの構築を目的とした。本年度は、真球状酸化スズの合成条件の確立を目的として検討を行った。 2種類のノニオン性界面活性剤を共存させた状態での四塩化スズの水熱処理と得られた前駆体の焼成による新規合成法により、直径1〜2μmの真球状酸化スズマイクロ粒子が合成できることを基盤としてスズ源の検討を行ったところ、四塩化スズを用いた場合に比べて二塩化スズを用いた場合の方がより高い収率で真球状マイクロ粒子が生成することを新たに見出した。また、真球状マイクロ粒子の形成には、最適な水熱処理温度と時間が存在し、生成機構としては界面活性剤を含む高粘性液体中で塩化スズが加水分解するプロセスと燃焼過程で界面活性剤が燃焼除去される間に焼結が進むプロセスの2段階から成ることが示唆された。一方、界面活性剤を添加しなくても球状に近い粒子は得られるが、その表面は粗く一次粒子径や比表面積値に差が見られた。また、イオン性界面活性剤を用いた場合は、ノニオン性界面活性剤を用いた場合に比べて直径が大きな球状粒子が得られた。本研究によって得られた球状粒子のセンサ感度は、ノニオン性界面活性剤複合試料(C_<12>EO_9/Tween60系)で市販SnO_2の約4倍の感度を示した。
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Research Products
(8 results)