2009 Fiscal Year Annual Research Report
不妊症診断・治療のための迅速簡便な唾液中ホルモン一斉分析システムの開発
Project/Area Number |
18550079
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Research Institution | Nihon Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
荒井 健介 Nihon Pharmaceutical University, 薬学部, 准教授 (10266885)
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Keywords | マイクロナノデバイス / マイクロアレイ / 蛍光検出 / ELISA / ホルモン / マイクロチャネル / 唾液 / 診断 |
Research Abstract |
本年度は、(1) 試作機の作製 ならびに (2) 実証実験・評価 に取り組んだ。 (1) 試作機の作製:個々に開発したマイクロチャンネルチップ、試料採取チップ、光学系、送液系などの機能モジュールを組み合わせた分析システムを試作した。唾液試料を検出部に導いて高感度に蛍光検出を行うための流路条件を確立できた。ヒューマンインターフェイスを意識したシステム化について検討したが、実際の製品化を念頭に置いた試作化までには、データの電子処理装置の設計・作成、得られた数値データに関する評価方法の確立、試料の粘度や気泡の蛍光検出・定量に及ぼす影響の除去など、解決すべき残された課題が多いことが分かり、計画当初の予想をはるかに上回る労力と時間がかかることが判明したため、本項目の完全な達成までには至らなかったが、次のモデル実験を実施できた。 (2) 実証実験・評価:作成した試作機を用いたモデル検証実験を実施できた。内分泌物質モデルとしてprolactinなど数種類を取り上げ、ヒト試料への応用について検討した。比較検証にはELISA法を用いた。その結果、唾液および血清中に含まれる内分泌物質の検出・定量が可能であることを明らかにした。例として、prolactinの検量線を作成し、10~50ng/mLの定量範囲(r=0.999)を得た。検出感度は5.2ng/mLであった。したがって、本モデルはプロラクチンをはじめとする内分泌物質を含む実際試料の迅速かつ高感度な定量に有用であることが示唆された。
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Research Products
(6 results)