2008 Fiscal Year Annual Research Report
標的タンパク質との複合体における低親和性リード化合物の高感度選択的検出法の開発
Project/Area Number |
18550082
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Research Institution | Meisei University |
Principal Investigator |
田代 充 Meisei University, 理工学部, 准教授 (40315750)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 悦郎 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (10130303)
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Keywords | タンパク質-リガンド複合体 / 核磁気共鳴法 / 分子間相互作用 / スクリーニング |
Research Abstract |
医薬品の開発過程において有効なスクリーニング系の確立は不可欠であり、特にin vitroでのスクリーニング系として簡便、廉価な方法が望まれる。ここ数年、核磁気共鳴(NMR)法の薬剤スクリーニングへの応用が試みられており、新規なスクリーニング法として注目されている。この方法では、レセプターとなるタンパク質を15Nなどの安定同位体で標識し、そのタンパク質と結合するリガンド(薬剤などに相当)との分子間相互作用をNMRで観測することにより、高親和性のリガンドを探索する。 タンパク質の中には軽水には溶解するものの、重水には不溶性なタンパク質が少なからず存在し、ときには溶媒交換できないサンプルが存在する。汎用性のある手法の開発という観点から考慮すると、タンパク質の選択照射を行わず、軽水溶液(90%H2O,10%D2O)として測定可能な手法が最適と考えられる。Water-LOGSY法は他の方法と比較して、高親和性のリガンドに対しても応用可能と報告されていることより、Water-LOGSY法をベースに高感度化・高精度化を目指す。WaterLOGSY法では軽水状態(90%H2O,10%D2O)のサンプル試料を使用するため、溶媒置換操作によるサンプルの損失がない。水シグナルを選択照射するため、リガンドのシグナルを誤って照射する可能性がほとんどない利点を有する。 本研究では、WATERGATE W5パルスを取り入れることにより、水の磁化を選択的に残すことにより、リガンドシグナルの高感度検出を達成した。通常、水の磁化を選択励起する手法が採用されているが、本法では逆の発想を行い、水以外のシグナルを消去することにより、水の磁化を選択的に残し、その磁化をリガンド分子に移して選択的観測を行った。
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Research Products
(9 results)