2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18550083
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
小松 優 金沢工業大学, 環境・建築学部, 教授 (70339985)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤永 薫 金沢工業大学, 環境・建築学部, 教授 (50156890)
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Keywords | イオン交換 / チタン酸繊維 / 遷移金属イオン / 分離 |
Research Abstract |
平成18年度は、二酸化チタンおよび炭酸カリウムを原料として、フラックス法(モリブデン酸カリウムを使用)を用いて、層状構造を有する結晶質チタン酸カリウム繊維の合成を試みた。その繊維を酸処理し過剰の酸を洗浄した後、粉末X線回折法及び走査型電子顕微鏡で層状四チタン酸繊維が合成された事を確認した。この繊維は層間水を保持しているが、乾燥時の脱水はイオン交換能を減少することが確認出来、その保管方法も確立した。次に金属イオン分離への適応性を確認するため、アルカリ金属イオン(リチウム-セシウム)に対するイオン交換挙動をバッチ法により検討し、その繊維のイオン交換能を確認した。次にアルカリ金属イオン間の分離能を検討するため、セシウムイオン分離を目的に同族元素であるリチウムイオンとの分離能発現を目指しカラム法を用いて行った。その結果、種々の条件(カラム中のイオン交換体量、反応温度、金属イオン濃度、カラムへの流入速度、流出速度、イオン交換及び脱離時の水溶液中の水素イオン濃度など)を調整することにより、両金属イオンを定量的に分離することが出来た。本分離結果は放射性廃棄物中に存在する長寿命核種であるセシウムイオンの分離にも応用可能との結論を得た。本法を利用することにより、放射性廃棄物量の減容化に繋がり、長期間保存する場所を有効に利用することが出来る。二価遷移金属イオンに対するイオン交換反応は、チタン酸中の層間に存在する2個の水素イオンと1個の遷移金属イオンの交換反応であるため、その交換速度は減少し、同じ二価であるアルカリ土類金属イオンとの交換速度とほぼ同程度である事を確認した。アルカリ金属イオンに対する結晶質四チタン酸繊維のイオン交換挙動を基礎データとして、二価遷移金属イオンに対するバッチ法での検討によりそのイオン交換反応が進行する事を確認し、カラム法への適用条件を確立した。
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Research Products
(2 results)