2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18550083
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
小松 優 Kanazawa Institute of Technology, 環境・建築学部, 教授 (70339985)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤永 薫 金沢工業大学, 環境・建築学部, 教授 (50156890)
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Keywords | イオン交換 / チタン酸繊維 / 遷移金属イオン / 分離 |
Research Abstract |
本提案では、無機イオン交換体として結晶質四チタン酸繊維を用いて遷移金属イオン間およびアルカリ土類金属イオン間の分離を試みるものである。昨年度求めた基礎データとしてイオン交換到達時間、再現性、反応pH領域、交換体の安定性をもとめ、イオン交換反応到達速度をアルカリ土類金属イオンの反応と比較した後、結晶質四チタン酸繊維をイオン交換体としたバッチ法による遷移金属イオンのおよびアルカリ土類金属イオンの交換挙動を調べた。遷移金属イオンとして銅、亜鉛およびニッケルの3種類を、アルカリ土類金属イオンとしてバリウム、ストロンチウム、カルシウム、およびマグネシウムを選択した。アルカリ土類金属イオン間の交換特性に関しては、分離能の高いバリウムーストロンチウム間に関しては結晶質四チタン酸繊維のイオン交換能を利用して分離し、ストロンチウムー他のアルカリ土類金属イオンに関しては大環状化合物の分離能を利用してストロンチウムイオンを他のアルカリ土類金属イオンと分離した。一方遷移金属イオン間の結晶質四チタン酸繊維による分離に関しては、銅イオン-亜鉛イオン間および亜鉛イオン-ニッケルイオン間で分配係数値がそれぞれ100以上の差を示し、それら3種類の金属イオンを完全に分離することが可能であるとの結論を得た。また、遷移金属イオン間の分離に関しては、イオン対抽出系に関しても高分離が得られた。それらの金属イオン同士の分離能に関しては、銅イオンとニッケルイオンをカラム中に流入して結晶質四チタン酸上にイオン交換させた後、弱酸溶液を流入することによりニッケルイオンのみを流出させ、両金属イオンを分離することが出来た。次にカラム中に流入させる溶液の酸濃度を高くすることにより、イオン交換体中に留まっていた銅イオンも回収することが出来た。本手法を用いることにより、類似の性質を有する金属イオン間の分離を可能とした。
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Research Products
(4 results)