2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18550087
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Japan Synchrotron Radiation Research Institute |
Principal Investigator |
谷田 肇 (財)高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門XAFS・分析チーム・副主幹研究 (70301760)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永谷 広久 長崎大学, 工学部, 助手 (90346297)
原田 誠 東京工業大学, 理工学研究科, 助手 (60313326)
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Keywords | 界面物性 / X線 / 液液界面 / 全反射 |
Research Abstract |
本研究では、液液界面に吸着した物質の構造等の知見を得るために、液液界面でX線を全反射させて、XAFS(X線吸収微細構造)スペクトルを、極微量検出が可能な蛍光法によって、測定することを目的とした装置開発、測定条件の精査、およびXAFS解析を行う。この測定法を用いて、液液界面でのイオンや金属錯体の構造を直接観察し、液液界面での詳しい反応機構を明らかにすることを目的とする。 昨年度は1mMの臭化カリウム水溶液に表面に臭化ジメチルジパルメチルアンモニウムを展開し、さらにその上にヘプタンを展開して、約1mmのヘプタン層を介して、水-ヘプタン界面に存在する臭化物イオンからの蛍光X線の検出を7素子のSDDを用いて行い、XAFSスペクトルの測定に成功した。界面への入射X線は0.5mradの入射角で、界面で全反射していることを透過X線の反射光で確認している。また、この溶液組成では、ヘプタン層にはほとんど溶けず、また、水層からの信号強度は非常に弱くて、1mmのヘプタン層で吸収され、検出器に届かないことを確認している。 得られたスペクトルは、ヘプタン層が存在せず、1mMの臭化カリウム水溶液に表面に臭化ジメチルジパルメチルアンモニウムを展開したときの気水界面のXAFSスペクトルとはやや異なったが、スペクトルの強度が弱くて、ノイズも大きいため、詳しい解析をすることはできなかった。また、亜鉛イオンの測定を試みたが、吸収端のエネルギーが、9.6keVで、臭化物イオンの13.5keVに対して、エネルギーが低く、ヘプタン層にX線が吸収されて、検出不可能であった。
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