2007 Fiscal Year Annual Research Report
チオエーテル配位子を用いる光学活性錯体触媒上の精密不斉空間制御と高選択性の獲得
Project/Area Number |
18550091
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
星 隆 Niigata University, 自然科学系, 助教 (20303175)
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Keywords | 光学活性配位子 / チオエーテル配位子 / 触媒的不斉合成反応 / 不斉Diels-Alder反応 / パラジウム触媒 / クロスカップリング反応 |
Research Abstract |
18年度においてBINAPのモノフェニルスルフィド類縁体S-MOPの新規合成法の開発、およびフェニルスルフィド置換PhS-MOPから調製される光学活性Pd触媒をジメチルマロネートと1,3-ジフェニルプロペニルアセテートとの不斉アリル化反応に用いると高収率かつ高不斉選択性でアリル化生成物が得られることを明らかにしている。今回、PhS-MOPがPdCl_2に配位したPd錯体(PhS-MOP/PdCl_2)とAgSbF_6から調製されるルイス酸性Pd触媒をN-Acryloyl-2-oxazolidinoneとシクロペンタジエンとの不斉Diels-Alder反応に応用したところ、90%、90%eeと高収率および高選択的に付加環化生成物を得られることを見い出した。さらに、PhS-MOP/PdCl_2錯体のX-線結晶構造解析を行い、PとSのトランス効果の違いなどの構造化学的特徴を明らかにすると共に不斉Diels-Alder反応における選択性に関する構造化学的知見を得た。 また、Pd触媒開発の一環として新規配位子ジ(tert-ブチル)(ルテノセニル)ホスフィン(R-Phos)を開発した。配位子R-PhosとPd(dba)_2から調製したPd触媒は、不活性な基質を用いる鈴木-宮浦反応においても短時間で定量的に目的物を与える非常に優れた高活性触媒であることを明らかにした。
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