2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18550092
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
今田 泰嗣 Osaka University, 大学院・基礎工学研究科, 准教授 (60183191)
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Keywords | 有機分子触媒 / フラビンン触媒 / 酸素酸化反応 / 環境調和型反応 / 水素添加反応 / ジイミド / デンドリマー / 金ナノ粒子 |
Research Abstract |
申請者は単純な有機分子を触媒とし、酸素分子を共酸化剤として用いる環境調和型の触媒的酸化反応の開発を進めている。本研究課題は、申請者が既に開発しているフラビン分子を触媒とする酸素分子活性化システムを基盤とし、有機分子触媒による温和な条件下での高選択的な酸素酸化反応系を構築することを目的としている。今年度は、フラビン分子周辺への反応場の構築による高活性分子触媒の創出を検討した。 1.フラビン触媒分子周辺へのデンドリマー骨格に由来する疎水性反応場の導入 申請者はフラビン分子触媒のイソアロキサジン環2,3,4-位のイミド部位が2,6-ジアミノピリジンと強固な3点水素結合を形成することに着目し、ジアミノピリジン骨格をコアとするデンドリマーを合成し、これがフラビン触媒と会合体を形成することを明らかにした。これらのデンドリマー-フラビン会合体を触媒として、ヒドラジンを用いるオレフィンの水素化反応を検討し、均一系フラビンと比較して高い触媒活性を有することを明らかにした。また、デンドリマーの世代による触媒活性の変化を観測した。 2.金ナノ粒子上へのフラビン分子触媒および疎水性反応場の集積 硫黄化合物に代表される配位性官能基で表面修飾を施した金ナノ粒子は、修飾分子の特性に応じた溶解度などの物理的性質を示すことから、新しい触媒担体としての利用が期待される。また、表面修飾の制御により、触媒分子の担持割合や触媒分子の周辺環境の制御も期待できる。申請者は長鎖アルキルジスルフィド官能基を有するフラビン骨格を合成し、これを用いて金ナノ粒子表面の配位子交換を行い、フラビン分子修飾金ナノ粒子の合成に成功した。フラビン修飾金ナノ粒子は、反応条件下ではコロイド溶液として均一系フラビン触媒に匹敵する高い触媒活性を示す一方、貧溶媒中では凝集により沈殿し回収・再利用が可能であるため、均一系触媒と不均一系触媒の両方の特徴を持つハイブリッド触媒となることを示した。
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Research Products
(7 results)