2007 Fiscal Year Annual Research Report
メタル触媒を活用する新規多環性ヌクレオシド及びそのオリゴライブラリーの創成
Project/Area Number |
18550093
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
周 大揚 Osaka University, 産業科学研究所, 助教 (00324848)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中谷 和彦 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (70237303)
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Keywords | 修飾ヌクネオシド / 遷移金属錯体 / カルボニル化反応 / 一酸化炭素 |
Research Abstract |
今年度は昨年度の引き続き修飾ヌクレオシドの環化カルボニル化反応の最適反応条件の確立を検討した。用いられる触媒はロジウムカルボニルやルテニウムカルボニルまた鉄のカルボニル化合物である。また、反応系は水、テトラヒドロフランと水の混合溶液、アミンとテトラヒドロフランやアミン系溶媒だどを用いて研究を行った。その結果、修飾ヌクレオシドの環化カルボニル化反応は普通のフェニルアセチレンの環化カルボニル化反応と異なる、ヌクレオシドの水酸基が反応を障害することが明らかにした。また、当初の予想と異なるヌクレオシドの塩基部分も触媒に配位し、触媒の活性が減少する。そのため、反応溶媒をトリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジエチルメチルアミンなどを変えて見た。反応が進行したものの、目的化合物が単離できなかった。つまりカルボニル化反応が進行するために、遷移金属触媒が修飾ヌクレオシドのアセチレン部位に配位しないといけないなのに、ヌクネオシドの塩基と配位したことが分かった。今後、これまでの経験を生かして、修飾ヌクネオシドの種類を変えて、天然のグアニン、アデニン、シトシン、チミン、ウラシンの代わりにフェニルアセチレンが直接に五員環糖と結合し、天然ヌクレオシド塩基の障害を防ぐ、より選択的、効率的に環化カルボニル化生成物が得られると期待している。また、これらの研究の一環として、遷移金属イオンと修飾ヌクレオシドの反応も検討した。ビピリジンで修飾したウリジンの合成に成功し、さらにDNA合成機で修飾DNAを合成した、合成したDNAに銅イオンを入れて、銅に配位したビピリジンDNAを見いだした。この成果を今度の日本化学春季年会で発表予定である。
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