2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18550094
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
根本 尚夫 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (30208293)
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Keywords | アシルアニオン等価体 / アシルシアニド / ペプチドミミック / パラジウム触媒反応 / アジリジン / π-アリルパラジウム中う間体 / 耐代謝性 |
Research Abstract |
研究代表者は不飽和アジリジンとパラジウム触媒により、申請者独自開発の[H-C(CN)_2-OR](MAC反応剤)が、ペプチド結合-CONH-を-CH=CH-に置き換えた物質を高い位置および立体選択性で合成できる事を発見し、その反応の最適化や基質の違いによる選択性等の検討を行った。この結果得られる化合物は、タンパク製剤等のアミノ酸やその連続構造を耐代謝性のある化学構造に部分的に置き換えることのできるペプチドミミックへの合成応用が考えられる。 平成18年度にアジリジン環のシス・トランスの基質を使い分けると、相対立体化学の異なる化合物が得られることがわかったが、アジリジンの窒素上の保護基が、4-toluenesulfonyl基(Ts基)であったため、相対配置のどちらが得られているのかが、判明しなかった。またトランスのアジリジンからの反応収率が低く、立体選択性にも問題があった。そこで平成19年度では、Ts基を2,4,6-trimethylbenzene-sulfonyl基(Mts基)に置き換えて再検討した。その結果、Ts基保護のトランスアジリジンでは、主生成物の立体選択性がやや低かった(構造の不明な副生成物が混ざった)のに対し、Mts基では、シス・トランスのどちらのアジリジンからも高立体選択的な反応が観察でき、反応収率も著しく改善した(>99%以上)。以上のように、窒素上の保護基を変えることにより、わずかに問題として残っていた点を解決した。またここで得られた生成物は過去の報告による既知化合物との比較により、相対立体配置を確定できた。こうした生体分子を有機化学的に改変する技術は、ポストプロテオミクスにおいて重要な基盤のひとつとなる可能性がある。
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Research Products
(6 results)