2006 Fiscal Year Annual Research Report
二酸化炭素の反応制御作用に基づく新還元反応系の創出
Project/Area Number |
18550100
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
西山 豊 関西大学, 工学部, 助教授 (30180665)
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Keywords | 二酸化炭素 / ランタン / ベンゾフェノン / オキシラン |
Research Abstract |
新しい反応剤の開発は、効率的な新合成法の創出の大きな原動力につながり。有機合成・有機工業化学の進展につながる。本研究では、研究代表者が新たに見出した二酸化炭素の作用に基づく新しいタイプの還元反応を追及し、希土類金属等の反応剤を用いた斬新な反応制御法の開発を研究目的とした。すなわち新反応「二酸化炭素により促進される新脱酸素カップリング反応」の詳細を検討し、その全容を明らかとすると共に、応用面を開発することである。検討の結果、金属ランタンとベンゾフェノンの反応を従来の不活性ガス雰囲気下で行うとベンズヒドロールが得られるのに対し、二酸化炭素雰囲気下では、全く異なったタイプの反応が進行し、2,2,3,3-テトラフェニルエチレンオキシドが得られるとの結果を得た。そこで反応条件を種々検討したところ、ベンゾフェノンに対して金属ランタンを1.5倍当量用いて、触媒量のヨウ素存在下、67℃で1.5時間、二酸化雰囲気下で反応を行うと2,2,3,3-テトラフェニルエチレンオキシドが71%の収率で得られるとの結果となった。ついで、金属ランタンと種々の置換基を有するジアリールケトンとの反応を二酸化炭素雰囲気下で行うと対応する2,2,3,3-テトラアリールエチレンオキシドが中〜高収率で得られ、この反応が一般性を有していることも明らかとなった。また、ベンゾフェノンと金属ランタンの二酸化炭素雰囲気下での反応をアルキルアリールケトン共存下で行うと、ベンゾフェノンとアルキルアリールケトンのカップリングを伴ない反応が進行し、非対称オキシランが得られた。
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