2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18550103
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
寺境 光俊 秋田大学, 工学資源学部, 助教授 (70251618)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 英晃 秋田大学, 工学資源学部, 教授 (80168369)
|
Keywords | ナノ材料 / 酵素 / 生体材料 / デンドリマー |
Research Abstract |
リシンデンドリマーは三次元的構造が制御された生体分子由来のデンドリマーとして医療分野への応用が期待されているが、合成時にリシンの側鎖アミノ基をすべて反応に使うため、酵素分解性、代謝性が低い。側鎖アミノ基は酵素による分子認識に重要な役割を果たしているだけでなく、ユビキチン系代謝経路においても重要な役割を果たすことが知られている。本研究では側鎖アミノ基を残したペプチドオリゴマーを合成し、これを繰り返しカップリングすることにより酵素分解可能な新規デンドリマーを合成し、酵素分解活性を評価する。 酵素分解可能なデンドリマーのビルディングブロックとして、グリシン(G)とリシン(K)からなるペプチドオリゴマーの合成を行った。平成18年度はリシンのα位と側鎖アミノ基の両方を反応させるTypeI(ABB'型(Fmoc保護))に絞り、液相、固相法による合成条件の最適化を行った。液相法では、カルボキシル基末端をフェナシル基で保護する方法、可溶性高分子担持体としてポリエチレンオキシドを用いる方法などを試みた。いずれの方法でもカップリング反応自体は十分進行したものの、カルボキシル基末端を脱保護した後の精製段階に問題があり、目的とするペプチドオリゴマーを高純度、高収率で得ることはできなかった。一方、弱酸で切断可能なトリチル樹脂を用いた固相法で高純度のペプチドオリゴマーが容易に合成できることがわかった。現在、トリチル樹脂を用いた固相法によりペプチドオリゴマーを量産している。このペプチドオリゴマーをビルディングブロックとし、トリチル樹脂、Wang樹脂を用いたデンドリマー合成を行うことで、同一構造で側鎖アミノ基の有無だけが異なるデンドリマーを合成し、酵素分解試験を行う予定である。
|