2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18550105
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
石曽根 隆 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 准教授 (60212883)
|
Keywords | プロペラン / ポリプロペラン / 1,3-デヒドロアダマンタン / ポリ(1,3-アダマンタン) / 開環重合 / 自発的共重合 / 交互共重合体 |
Research Abstract |
[3.3.1]プロペランの分子構造を持つ新規1,3-デヒドロアダマンタン誘導体(DHA)のカチオン開環重合を行った。1,3-デヒドロアダマンタン(1)および5-ブチル-1,3-デヒドロアダマンタン(2)、6-ブチル-6-メチル-1,3-デヒドロアダマンタン(3)は求核試薬とは全く反応せず、アニオン重合によっては重合物を与えなかった。これに対して、1-3は酸やラジカル種とは容易に反応し、開環付加物や重合物を高収率で与えた。アダマンタン環上に置換基を持たないポリ(1)は有機溶媒に不溶であったが、ポリ(2)とポリ(3)は様々な溶媒に溶解性を示した。2を塩化メチレン中で触媒量のトリフルオロメタンスルホン酸と反応させたところ、0℃において重合が進行し、反応時間とともに収率と分子量が増加した。0℃、48時間後に収率は85%に達し、平均重合度約30、約6000の分子量、(Mw/Mn=1.5)を持つポリマーが得られた。NMR、IR、MALDI-TOF-MS、元素分析による構造解析を行ったところ、重合物はDHA類の開環重合により得られるポリ(1,3-アダマンタン)(ポリプロペラン)の構造を持つことが明らかとなった。また、ポリ(2)は、202℃にガラス転移点を示し、10%重量減少温度は472℃と熱的に安定なことを見出した。1と様々なビニルモノマーとの共重合を行ったところ、1は、スチレンやビニルエーテルと混合しても反応しなかったが、アクリル酸メチルやアクリロニトリル、N-フェニルマレイミドといった電子密度の低い極性モノマー類と無触媒下、室温で反応し、高収率で共重合物を与えた。モノマーの仕込み比を変えた場合も、共重合体は約50%の1由来の骨格を含んでおり、MALDI-TOF-MSやNMRの測定結果より交互性の高い重合体であることを確認した。
|