2006 Fiscal Year Annual Research Report
ポリペプチドらせんに特有の水素結合相関の特性解析と合成化学への応用
Project/Area Number |
18550111
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Polytechnic University |
Principal Investigator |
安部 明廣 東京工芸大学, 工学研究科, 教授 (50114848)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 利彦 東京工芸大学, 工学部, 教授 (50181780)
比江島 俊浩 東京工芸大学, 工学部, 助教授 (30288112)
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Keywords | ポリL-アスパルテート / ヘリックス-コイル転移の相図 / ヘリックスらせんの反転 / ランダム共重合体 / 分子内水素結合の協同性 / バルク状態におけるらせん反転 / 主鎖型液晶 / 糖鎖 |
Research Abstract |
(i)ヘリックス-コイル正転移および逆転移の特性解析(希薄溶液) 温度上昇によるポリペプチドのヘリックス-コイル転移(正転移)は、限られたポリマー、限られた溶媒でしか起こらず、緩やかな転移である。コイル状態が熱力学的に不安定であることによるものと思われる。各種のポリアスパルテートエステルが示す正転移について、高温コイル状態の主鎖および側鎖コンホメーションの解析を行った。 (ii)らせんセンスの反転に関わる遷移状態の実験的確認(等方相〜液晶相) 常温で左巻きを好むベンジルアスパルテート(BLG)と右巻きを好むフェネチルアスパルテート(PLG)のランダム共重合体をおよびそれらの重水素化試料(主鎖、側鎖)を合成し、α-ヘリックスらせんの温度による反転挙動を観測した。水素結合連鎖の存在による協同性は非常に強く、PLA残基の含有が100〜50%の範囲では、転移温度は変わっても、右から左への反転はPLA100%の場合と同様なS字曲線を示した。同位体ラベル法を利用した実験、理論解析が進行中である。 (iii)固相状態におけるらせんセンス反転の特徴と側鎖構造の関連(バルク状態) 多くのポリアスパルテートで、らせんの向きの反転が加熱により固相でも起こることが知られている。側鎖エステル基R=-CH_2CH_2CH_2Φおよび-CH_2CH_2OΦの場合を比較すべく合成に着手したが、PVT測定に十分なサンプル量をまだ確保できていない。継続中である。 (iV)水素結合相関の鎖状分子への応用の一環として主鎖型液晶のスペーサー部に糖類を導入したサンプルの合成を行っている。4炭糖の2種について立体構造による液晶相の違いを確認した。
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