Research Abstract |
1.らせん高分子が示す圧電性の実験的理論的解析(不斉構造と圧電性能の解明に重点をおく) 側鎖化学構造,集合状態での主鎖の立体的な相互関係,側鎖が充填された空間の三次元構造と,圧電性発現について,追及した.実験は,分子内水素結合によって安定ならせん構造を形成するモデル物質を用い行った.具体的には,ポリ(L-乳酸)(PLLA)とポリ(D-乳酸)(PLLA)用いた.特にPLLA/PDLAによる分子量,モル比などがそのステレオコンプレックス構造の形成に与える影響を追及した.また,その形成時における環境(温度,圧力)などの影響を評価した.更に,得られたPLLA/PDLAステレオコンプレックス体の圧電性について,予備的な評価をした. 2.高精度な圧電性評価システムの開発 本圧電性評価システムシステムは,大掛かりにならない安価・単純なシステムで,しかしながら,今までの評価システムでは得ることが困難な領域の圧電性評価を迅速に行い,上記圧電材料開発の指針を得られる装置を具現化することを目標とした.本システムでは,圧電定数を,電界を与え,そこに誘起される歪を直接求める.本年度は,繊維や超薄膜,また微小領域の変位をlaser Doppler振動計で直接計測する部位の確立を計った.ここでは,広帯域での計測を可能にするために,印加電界の周波数との同期制御に工夫をこらすことで,圧電材料の8桁程度の周波数域で,0.1%程度の変位誤差で,測定が可能になっている.
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